特集

専門家に訊く―本当にネコやイヌは人間の言葉を理解しているのか?

なぜ人間は理解されていると思うのか?

  • 2018.06.18 10:00
  • PROMOTION

ネコやイヌを飼っている人の多くは「自分の声に反応した」「言っていることを理解してくれている」と感じたことが一度ならずともあるのではないだろうか。しかし1つの疑問がわく。果たしてそれは科学的に解明されているのか―。

今回編集部では、そんな素朴な疑問を解決すべく、上智大学総合人間科学部の齋藤慈子准教授にお話を伺った。齋藤氏の専門は、発達心理学・進化心理学・比較認知科学。ヒトの心だけでなく、ヒトと伴侶動物(ネコ・イヌなど)との関係も学術的に研究しており、かつてネコ博士としてテレビ出演するなど、ネコに関する論文や著書も執筆している。今回の疑問をぶつけるにはぴったりの専門家だ。

 


◆ネコやイヌは本当に人間の言葉を理解しているのか?

 

ご本人もネコ好きであり、「自立心があるところ、見た目の美しさ、ツンデレなところ」がネコの魅力という齋藤氏。早速本題である「ネコは人間の声を理解するのか」という質問をぶつけてみたところ「ネコ自身の名前と他の名詞の区別はついているようです」とのこと。

一方のイヌはどうかといえば、実験によると200~1000語まで区別できるといい、齋藤氏によれば「ヒトとのコミュニケーション能力はネコよりもイヌのほうが優れている可能性はあります」とのこと。しかし最新の研究では、イヌだけでなくネコも飼い主の感情や表情も区別することで、その行動に変化があることも分かっている。

さて、ヒトはなぜ「理解されている」と感じるのだろうか。そんな疑問も齋藤氏に聞いてみた。

「それは、イヌやネコが発声に応じて反応をするからだと思います。イヌの場合は程度の個体差もありますが、ヒトに目線を向け、アイコンタクトもとるようです。ネコの場合も、声かけに対して、顔・耳を向けたり、尻尾を動かしたりします。」とのことだ。

 

◆ネコにあたえる飼い主不在の影響とは?

 

さて、ネコ研究の第一人者でもある齋藤氏にはネコの生態についてもきいてみた。まずは飼い主がみていないところでのネコの行動についてだ。ネコは飼い主がいないところではどのような行動をしているのか聞いてみると、興味深い研究データを教えてくれた。

研究の詳細は割愛するが、ネコに加速度センサーをつけ24時間の動きを調べた実験では、なんと1日の約7割を腹ばいでじっとしているという結果になったという。これは他の哺乳類と比べても長く、1日14時間から長いものでは20時間程度がそうした時間にあてられるのだそうだ。

 

 

意外と何もしていないという結果がありながらも、飼い主の不在はネコの心理状況にはどのような影響があるのだろうか。こちらも齋藤氏に聞いてみたところ「ネコはもともとの祖先種は単独性ですので、これまではイヌに比べお留守番が得意な伴侶動物と考えられていましたが、最近は分離不安を呈する個体もいるようです。そのような個体でなくても、日常の不在でなく、旅行などで夜も帰ってこないという場合には、通常の世話がなされないことや、ヒトとかかわることができないことなどで、ストレスを感じる可能性は高いでしょう」とのこと。なんとなく、ひとりにしておいても大丈夫、というイメージが強いネコだが、ずっと放っておいても大丈夫、などということはないようだ。

 

Credit: Getty Images

 

◆これからのネコとヒトとの関係性

 

最後に齋藤氏にこれからのヒトとネコがどのような関係であるべきかを聞いてみた。

「生き物は進化するので、デバイスや社会環境の変化で、これまでの関係性が変わらないものかどうかはわかりません。大切なことは、ヒトのネコに対する期待と、個体差も考慮したネコの行動特性がマッチすることだと思います。」

今回のインタビューにあたって齋藤氏に共有していただいた論文も下記のような一節がある。

「ネコの行動特性・認知特性を科学的に記述し、広く一般に知ってもらうことは、学術的な意味で重要であるだけでなく、ネコが伴侶動物の選択肢として選ばれることが多くなっている現在、ネコのウェルフェア(幸せ)にとっても非常に重要である。ネコの行動特性は、実際に飼っている人からすれば、当然なものであるが、(中略)ヒトがネコとの交流時間を制御しているのではなく、ネコのほうがヒトとの交流を制御していることを示すような研究もあることから、ネコは自らがヒトとインタラクションをしたいときにだけ積極的にインタラクションをする動物であるといえる。(中略)ネコのウェルフェアを考えるうえで、ネコの行動特性を理解することは必須である」(齋藤氏の講演論文『なぜネコは伴侶動物になりえたのか 比較認知科学的観点からのネコ家畜化の考察(2018)』より・一部編集)

単なる愛玩動物ではなく共に暮らす伴侶動物として、ヒトの期待をネコに押しつけるのではない関係を築くことが重要だとする齋藤氏。既にネコを飼っている方にもぜひ考えてほしいメッセージだ。

 


 

本記事では「ネコ・イヌは人間の言葉を理解するのか」という疑問から専門家にお話を聞き、最新の実験からも実際に区別していることが分かった。また、今後はイヌのような振る舞いをするネコも増える可能性も指摘されていることも見逃せない。これまでの「ネコは自由で気まま」というイメージだけで、長い間家を空けたり、しっかりコミュニケーションを取らなかったりすると、齋藤氏も指摘するように「ストレスを感じる」ネコも増えていくのかもしれない。

ただ、どうしても長時間不在にしなければならないこともあるし、24時間365日一緒にいることができないのは当然のこと。愛するネコやイヌと離れていてもなるべくコミュニケーションを取りたい、少しでも安心させたい…という方にぜひオススメしたいのが「屋内スイングカメラ」だ。

 

 

スマホ操作で外出先でもペットの様子を“見守ること”ができるこのカメラ。単に見るだけでなく、会話機能で声をかけたり、室内の温度まで調べたりすることができるすぐれものだ。また単に見守るだけではなく、特定位置での動作や音を感知して通知する機能まで搭載されている。意外とネコは動かないという研究結果もご紹介したが、ぜひ留守番している様子も「屋内スイングカメラ」で見てみてはいかがだろうか。

 

屋内スイングカメラのサイトはこちら