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アリエナクナイ科学ノ教科書:第3回 異世界の物理法則

  • 異世界の人物の強度

派手なバトルを描く上で、人間が人間としてのリアリティと人体の強度は非常に問題になります。

現実に即してリアルにすればするほど人間は実に脆い生き物として映ってしまいます。

多くの専門家が動物と比較しても素手で武器なしだと、一流の格闘家でさえ柴犬と同等かそれ以下の戦闘能力と言われています。

柴犬? にわかには信じられませんね。流石にドーベルマンくらいはいけそう?

多くの動物に比べて人類は道具に依存しているのはご存じの通りですが、子犬くらいのサイズの小熊にも余裕でひねり殺される体力差があります。
過去の事故例では、屋内に侵入してきたツキノワグマ(それほど大きくならない本州に生息する比較的小型の熊)の咬傷事故例では、足に食らいついたあと、そのまま首を振り回してそこら中にたたきつけて秒で殺害している例があります。

つまり、一噛みであとは首を振るだけで人間を倒せるだけの筋力が1m程度の動物にも可能ということです。そう考えると人間の戦闘力=柴犬 というのは案外的を射てる気がします。それだけ人間の筋力は鍛えたところで限界はその程度ということです。

さらに機械相手であれば人間はもはや紙切れ、プリンと言った感じです。ホームセンターで売られている2千円程度のドリルでさえ、どんな超怪力の人間でさえ素手で止めることは不可能です。
工業用の機械となれば、労働災害事例をあげつらえば悲惨なものが山ほど出てきます。車を素手で止めることなんて不可能なのです。銃やミサイルといった殺人のために発明された機械を前にしては、鋼の筋肉はもはやあるのか無いのか不明なレベルです。どんな筋肉だろうが脂肪の壁だろうが、世界最弱と言われる日本の警察が標準採用しているニューナンブM60などでも体のどこに命中しても、すぐに病院に行かなければ十中八九死亡します。強い銃弱い銃といっても、即座に相手が行動不能になるかどうか程度の差で、致命的なことに変わりはありません。これらの強度に関しては、既刊の「アリエナクナイ科学ノ教科書」でも人類の物理強度という形で解説をしました。

お話を描く上で、この人間の強度に関してどの程度リアルにするかというのはフィクションを描く上で非常に重要な点です。
別に黄金期のハリウッド映画のように、ナイフ傷などはノーカウント、ピストルなんてかすり傷、ライフルで撃たれても数秒うずくまれば大丈夫といったタフな表現が悪いというわけではありません。
ただ、リアリティを追求している作品であれば、そういった表現と現実の差が冷めた空気を作り出してしまうことは懸念材料といえます。

それを設定上どげんかしてしまおう・・・それが最近多く見られる流れです。

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