アメリカ社会で変わりゆくタトゥーへの意識

芸能人がタトゥーを入れたことをSNSで公表し、ファンの間で賛否両論が沸き起こり、物議を醸した。では、タトゥーを入れている人が多いアメリカ社会では、タトゥーは受け入れられているのだろうか。アメリカ社会におけるタトゥーへの捉え方を考えてみよう。

 

アメリカの多くの職場で、タトゥーを隠すことが求められる

アメリカでは、ファッションや自己表現のひとつとして、タトゥーを入れている人が、日本に比べてかなり多い。しかし、個人の自由であるタトゥーも、社会に出れば歓迎されているとは言えない。

アメリカの多くの職場で、タトゥーは洋服で隠すように規則に明記されている。胸や背中なら洋服を着れば問題ないが、腕や足など肌を露出する部分にタトゥーが入っていれば、暑い夏場であっても、長袖シャツを着用するなりして隠すことが必要というわけだ。

実は歓迎されていない!? アメリカ社会で変わりゆくタトゥーへの意識
Credit: Creative Commons

これは、タトゥーに対してネガティブな印象を持つ人がいることの表れだろう。実際、13~18歳の子どもを持つ親1018名に行われたアメリカの調査で、子どもがタトゥーを入れることに対して、約半数が、健康や将来の雇用への影響を理由に「心配」と答えている。

 

看護師のタトゥーを認める病院も

しかし最近、16の病院を有する米インディアナ州のインディアナ大学医療センターが、勤務する看護師のタトゥーとヘアカラーを認めると発表した。

腕など目に見える部分のタトゥーとヘアカラーは、これまでは認められていなかったもので、従業員はこのルール変更を歓迎していると言う。ある看護師は、「タトゥーは犯罪者を連想させると考える人もいるけれど、私は修士号をとっているし、ちゃんと看護できる」と述べている。

ただ、アメリカの中でも、地域や病院によっては、看護師のタトゥーに対して厳しいルールを課すところもある。看護師の母について、ある男性が「僕の母はタトゥーがあるけれど、彼女の仕事観にタトゥーが影響したことなんて絶対ない」とSNSに投稿し、10万回以上シェアされ話題になったこともあった。

アメリカであっても、まだタトゥーの受け入れに対しては賛否両論があるのが実情と言えるだろう。

日本では長く「刺青=反社会勢力」と捉えられてきたが、程度の違いはあれ、アメリカにおいてもタトゥーはまだ否定的に考えられている局面がある。しかし、それも少しずつ時代とともに変わり始めているのかもしれない。

Makiko Sato

*Discovery認定コントリビューター

雑誌編集者や広告のプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのプランナー、エディターとして活動中。

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