5年で2000万の目標は無謀?32歳男性の投資ライフ…プロのアドバイスは?

将来起業を考えているタカシさん(32歳)は、開業資金として5年後までに1000万円貯めるのが目標だ。しかし今後、結婚やマイホーム購入といったライフイベントもやってくるタカシさんにとって、その目標はやや厳しいかもしれない…。

三井生命保険株式会社PMMサービス事業部渡邊裕介さんに、毎月投資信託を行っているタカシさんの投資ライフについてアドバイスを伺った。

相談者プロフィール
32歳タカシさん(男性、独身)
収入:年収700万円
現在の金融資産:1000万円
現在の貯蓄額:毎月10万、うち月5万は投資信託
目標の貯蓄額:5年後に2000万円

 

ライフプランと必要な資金の把握がまずは大切

現在タカシさんが行っているのは、毎月5万円の投資信託の積み立てと、毎月5万円の貯蓄。合計10万円、年間で120万円を貯蓄している計算になる。5年間では、120万円×5年=600万円となる。これと手元の1000万円を5年後に2000万円にするためには、どうしたらよいだろうか。

「現状で5年間で600万円を貯蓄するペースなのに、これを5年後に2000万円まで増やすには、かなりアグレッシブな運用をしないといけません。そのため、この目標額は現実的ではない」と、渡邊さん。

さらに渡邊さんは、今後の将来設計とそれぞれで必要となる金額についても把握することをすすめる。「30代の働き盛りの男性は、これから結婚や住宅購入というライフイベントを迎える可能性があります。これに開業資金もプラスされるとなると、どの時期にどのくらいの金額が必要となるのか具体的に想定した方がいい」と言う。

例えば…

  • 2年後(34歳) 結婚  ・・・結婚資金300万円
  • 3年後(35歳) 住宅購入・・・頭金500万円
  • 5年後(37歳) 起業 ・・・開業資金1000万円
  • 10年後(42歳) 子どもが小学校入学・・・子どもの教育費用準備100万円

これを把握した上で、短期・中期・長期にあわせた資産の持ち方を考えることが良いという。例えば10年以内の短期間で必要となるお金については、普通預金や定期預金などで用意。10~20年程度の中期で必要となるお金については、普通預金などに加えて、投資信託や外貨建て保険なども検討することが好ましいそうだ。

  • 短期(~10年) 普通預金や定期預金など流動性があるもの
  • 中期(10年~20年)上記に加え、一部投資信託や外貨建て保険等
  • 長期(20年~) より資産運用の比率を高め、積極的な運用を検討する

投資信託の自動積立は継続するべき?

では、現在行っている投資信託の自動積立についてはどうだろう。

「投資信託は、購入の一般的な単位が1万口ですが、この1万口あたりの購入価額は毎日変動します。自動積立で毎月一定の金額の投資信託を購入すると、購入できる口数も変動があるものですが、価格が高いときには口数を少なく、低いときには多く購入することになるため、“時間分散”がはかれます。結果的に、全体の購入単価を引き下げられて効果的」だそう。

そのため、投資信託の自動積立は子どもの教育資金など、中期的に必要となるお金のためにも、ぜひ継続しておきたい。改善する点としては、上述したライフプランと必要金額にあわせて、毎月の積立額もみなおしてみよう。

さらに、投資信託では手数料にも注目しておきたい。「投資信託の投資対象や過去の運用成果だけでなく、商品ごとに異なる手数料や諸経費についても考慮する必要がある」と渡邊さん。

投資信託でかかる手数料は口座を開設する会社によって異なるものだ。手数料はわずか数パーセントだが、たった1パーセントの違いでも長期的に見ると、無視できない金額となって差がついてくる。ぜひ事前に手数料についても調べておきたい。

非課税枠のある「NSA」はぜひ利用しよう

投資信託を行っているタカシさんに、渡邊さんがまずおすすめするのはNISA(ニーサ)の利用だ。NISAとは、毎年120万円までの投資について、生じた利益が非課税となり、最長5年間は利益に対する所得税と住民税が非課税となる制度。NISAの制度発足から知名度は上がっているものの、NISAの口座保有率は24.6%(2017年、マイナビ調べ)と、まだまだ高くはない。

「NISAで税金が優遇されるのは、年間で120万円までの投資についてと、決して大きな金額ではありません。しかし、非課税枠があるのなら使わないのは損。ぜひNISA口座を作り、そこで投資信託を行うことをおすすめします」(渡邊さん)。

ただしNISAのデメリットとして、損益通算ができないこと、さらに5年間の非課税期間が終了した後は、翌年以降の非課税枠や課税口座へ移管するといった対応が必要となる。

「40歳には年収1000万円、50歳には1500万円」などと、人生の収入目標を立てている人は少なくないだろう。それと同じように、自分の人生設計とあわせて、必要となる金額についてもきちんと把握しておくことが何よりも大切だ。その上で、効果的な投資を行うことが賢い選択と言えそうだ。

Makiko Sato

*Discovery認定コントリビューター

雑誌編集者や広告のプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのプランナー、エディターとして活動中。