Credit : DESY, Science Communication Lab

高エネルギーのニュートリノの出所判明…40億光年のブレーザーから

天文学者たちが初めて高エネルギーのニュートリノの出元を明らかにした。この発見は宇宙をより深く理解する上でも重要なものだとされる。

 

どこから来るのかニュートリノ

Credit: The IceCube Collaboration

ニュートリノは宇宙に豊富に存在し、毎秒100兆ものニュートリノが人の体を通過しているとされるが、物質と相互作用をすることが希なためその感知は難しかった。そして、これまでニュートリノの詳細な出元も謎であった。

南極に設置された研究施設アイスキューブ・ニュートリノ観測所(IceCube Neutrino Observatory、上写真)などの施設ではニュートリノの観測が可能だ。昨年9月22日、このアイスキューブ観測所で観測された高エネルギーニュートリノは他のニュートリノをはるかに超えるエネルギーを持っており、太陽系外から来たと考えられた。この観測後、天文学者の国際チームがこのシグナルの出元を探ろうとした。The Atlanticによればこのシグナルの飛んできた方向にはニュートリノが飛んできた元として考えられる場所が600以上も存在した。

 

40億光年遠くのブレーザーから

Credit: The IceCube Collaboration

それらの方向から飛んでくる電磁スペクトルを検知しようとした彼らは、同じ方角からガンマ線も来ていることを見いだした。NASAのフェルミガンマ線宇宙望遠鏡やスペインのカナリア諸島ラ・パルマ島にあるMAGIC望遠鏡など複数がこれを裏付けると共に、2017年よりも弱いエネルギーのニュートリノが2014年と2015年にもこの方角から複数観測された記憶も見つかった。

これらを分析した結果、その発生元は、約40億光年離れたオリオン座の「TXS 0506+056」であることが判明した。これは「ブレーザー」(Blazar)と呼ばれるタイプの天体であり、中心に大質量ブラックホールを持ち、それをエネルギー源として明るく輝いているものだ。

観測されたニュートリノは、地球がまだ今の形にすらなっていなかった何十億年も昔に宇宙の彼方の超巨大ブラックホールが銀河を飲み込む際に放出したものだったのだ。もちろん、ニュートリノがどこから飛んでくるのかはわかったもののどのようにしてできるのか、などは判明していない。それでもニュートリノの出所が初めて判明したこの発見は、ニュートリノをより深く理解するきっかけであるとともに、天文学を新たな時代へと誘う大きな発見だと期待されている。

なお今回の発見はScienceにて6月13日に発表されている。

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