Credit : Zach Tirrell from Plymouth, USA, CC BY-SA 2.0- 画像はイメージです。

1万匹に一匹の双頭の蛇…裏庭で見つかりすくすく成長中

ニュースで時折見聞きするものの、かなり珍しい双頭の蛇。多くの場合生まれたとしてもすぐに死んでしまうが、アメリカ、ニューオリンズの裏庭で見つかったものは脱皮もしすくすく成長中だ。

 

1万匹に1匹

ニューオリンズの野生生物教師タニー・ヤヌシュ(Tanee Janusz)が現在飼育する蛇は、普通の蛇とは少し違う。昨年ヤヌシュの知り合いの家の裏庭で9月に見つかったもので、現在生後10ヶ月のこの蛇は二つの頭を持つのだ。

これを伝えるSWNSによれば、このような双頭は胚が完全に分割されないという遺伝子異により発生するが、発生確率は1万匹に1匹と非常に珍しい。1万匹に1匹というのは希ではあるが、それでも双頭の蛇は時折ニュースを賑わすくらいには生まれてきている。

YouTubeチャンネルAnimalBytesTVのブライアン・バルチュク(Brian Barczyk)は蛇のブリーダーだ。数多くの種類の蛇を孵化させ販売する彼だが、彼の元で1991年に孵化したアルビノのセイブネズミヘビは、その後売られて複数人の手に渡たり15年間以上生きたと同チャンネルの動画で語っている。なお彼がこれまでにどれだけの蛇を飼育してきたかは定かではないが、バルチュクによればその後も何匹か双頭の蛇が生まれたことがあったとしている。しかしそれらはどれも数ヶ月以上生きることはなかったそうだ。バルチュクによれば、双頭の蛇はあまり首が離れすぎていると互いに喧嘩をしたり、片方を飲み込もうとしたりすることもあるという。また、両方の頭で食べる場合と、食事に使われる頭が決まっている場合があるというのも興味深い点だ。

なおトップ画像は米ミズーリ州セントルイスのシティ・ミュージアムで展示されて2007年に8歳で死亡した双頭のアルビノのネズミヘビ。Wikinewsによれば1999年に同博物館のワールド・アクアリウムの社長が1万5000ドルで購入したものだという。

 

フィレとガンボ

このような双頭の動物は遺伝的な問題で早く死ぬことが多いが、今のところヤヌシュに大切に育てられている蛇は脱皮もしており、健康そのものだという。

「フィレ」と「ガンボ」と名付けられたこの蛇は、体も呼吸器官も共有するものの、脳は二つあり「性格」もそれぞれ別にある。なお、ニューオリンズのケイジャン料理として知られる「フィレ・ガンボ」はスパイシーなハーブである「フィレ」パウダーを用いた「ガンボ」と呼ばれるシチューであり、この蛇たちの名前はそこから来ているようだ。

どちらも怒りっぽく、逆の方向に行こうとしては喧嘩をするという。しかしこのふたつの性格のうち、ガンボの方がより支配的で、ヤヌシュは蛇が水を飲む時などにもう一方が水の中に入ってしまわないよう気をつけないといけないという。

 

古代にもいたかも?複頭の蛇

Credit: user:geni, CC BY-SA 4.0

大英博物館所蔵の「Double-headed serpent」と名の打たれた木とトルコ石で作られた彫刻は、15,16世紀につくられたアステカ文明のものであり、左右対称に頭を持つ蛇がかたどられている。双頭の蛇を前から見た様子と考えることも、尾の代わりに体の両端に頭を持った蛇を模したものとも、ただ架空の生物である可能性もある。しかしアステカ人たちもまた双頭の蛇を目の当たりにてこのような彫刻を作ったかもしれない、などと考えると興味深い。

そのほかにも、日本神話の中にもヤマタノオロチという頭と尾が8つあるモンスターが描かれていたり、ギリシャ神話には1身9首の大蛇ヒュドラーなどがいるなど、「蛇」に限っても複数の頭を持つものが様々な国の神話の中に見られることも面白い。今でこそ遠くの国で起こった出来事がすぐに海を渡って伝わる世の中になったが、インターネットはおろか電話もなかった太古に、二つの頭を持った蛇が見つかればそれは大事だったのではないだろうか。

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