アリエナクナイ科学ノ教科書:第32回 せかいのはじまり

SFにおいて宇宙は無限の可能性を秘めた世界として描かれています。
また我々の住む地球創世などがストーリーの核となることもあります。

今回は、そうした、あらゆる万物のはじまりの話になります。我々の住む地球 その地球を根底から支える太陽 そしてその生みの親である宇宙もまたどこから着て、どこへ向かうのか。ウルトラ広大な話をざっくりとまとめましょう(笑)

●宇宙の誕生

そもそも宇宙が生まれたのが138億年前のビッグバンが始まりである・・・みたいな話はよく聞きますが、これはどういう根拠から着てるのでしょう?

この話はノーベル賞物理学者で誰もが知っている物理学者「アルベルト・アインシュタイン」1915年一般相対性理論の中にある重力方程式で、それを宇宙全体に当てはめると宇宙が膨張しているという話になってしまうことを発見、アインシュタインでさえ「んなわけねえだろ・・・・」と方程式自体が間違えているのではないかとされたが、多くの物理学者によって「あってる」どないしよ・・・ただ広大すぎる話なので証拠もクソもない状態だったが1925年にハッブル望遠鏡の名を冠するエドウィン・ハッブルは我々の住む天の川銀河以外の銀河系を発見、そしてその遠い銀河ほど観測するたびに遠ざかっていることが判明。ようするに本当に宇宙は膨張していたということが観測されたわけです。

そうなると膨張しているということはその原点はどないなってるねん? と話を巻き戻しだしたら・・・ロシアからアメリカに亡命したジョージ・ガモフは1948年の論文で「・・・逆算したら、宇宙は1点の火の玉からスタートしたんじゃね?」と発表。流石に学会でもトンデモ理論と最初は言われ、誰かが「ビッグバン理論(笑)」と名付けてしまったのだが、まさかそれが後々「あってる」ということになろうとは、名付けた学者も思わなかったであろう。そうしてビッグバンという子供っぽい言葉が宇宙論として定着してしまっている(現在はビッグバン前後のもっと複雑な様子がいろいろ定説化しているが割愛)。
ちなみにこのビッグバンのエネルギーの膨大さはとんでもないもので、未だに宇宙が膨張しているのはもちろん、その余波である宇宙背景放射は未だに宇宙からマイクロ波として観測できます。
最近あまり見ることのなくなったアナログテレビの周波数があってないチャンネルや放送終了後のチャンネルで見られるザーーっという砂嵐。あれは多くの電波が人間の認識できる映像として像を結んでいない状態なわけですが、その1%はビッグバンの余波である宇宙背景放射と言われています。

ビッグバンから38万年後。宇宙の温度が下がったことで、素粒子が合体して陽子、電子、中性子などなどが出来、それらが合わさってようやく我々が認識できる「元素」が誕生してきます。

●太陽の誕生

我々がまだ比較的認識できる物質がそれぞれ集まって、数多の恒星が生まれ、その恒星の大質量に発生した重力にいろいろな物質が集まって、集まったことで重力を持ち、いろいろな天体ができていきます。

太陽のエネルギーは膨大で、地球の表面に数秒降り注ぐエネルギーを仮に100%回収すると、人類が有史以来生み出してきた全エネルギーを余裕で上回る・・・という膨大すぎるものです。
そもそも光というのは距離の2乗で減衰するもの。そんな切れ端のエネルギーでそんなレベルなので、表面では毎秒原爆換算で何兆個というもはや途方もないすぎて実感のないエネルギー放出が起こっています。
このエネルギー源は46億年前にたまたまギューっと集まった水素で、集まって核融合が始まったことでエネルギーが放出され、水素と水素が核融合をしてその余分なエネルギーが放出される。核分裂と同じでこうした反応で放出されるエネルギーは質量がエネルギーへと解放されるため膨大。

E=mc^2 アインシュタインの特殊相対性理論

エネルギー E とは m 質量(重さ) × 光速度 c の2乗 というもの。

重さに光の速さをかけるとか想像を絶する数値になりそうなものを、2乗というところがヤバい。
つまり物質のエネルギーというのは凄まじいもので、それは安定性が高いから崩れないだけで、実は私たちの体でさえ地球を余裕で蒸発させれる程度のエネルギーポテンシャルは持っているということです。
ただしそれには反物質という地球上にはまず存在しないものと対消滅しないといけないので実現しませんが(笑)。

この46億年前に集まった水素を燃料として馬鹿みたいにエネルギーを放出しまくってる太陽・・・燃料切れが心配になりますが、まだ現存水素は90%以上。あと数十億年くらいは大丈夫ということなので、人類は絶滅して、さらに数回人類のようなものが地球に出現するくらいのレベルなので気にしなくていいでしょう。

この凄まじいエネルギー天体、太陽。実は宇宙全体からするとかなりショボい恒星で、地球の100倍のサイズの太陽の2倍のシリウス(おおいぬ座)さらに倍のでかさのポルックス(ふたご座)、もはや比較不能なアークトゥルス(うしかい座)、アルデバラン、アンタレス・・・と地球の数百倍のサイズの恒星が観測されています。宇宙やばい。

●地球の誕生

さて、太陽が出来たと同時に地球もまた出現します。最初は灼熱の燃えさかる星も2億年という気が遠くなる時間をかけて冷えていき、地面ができ、さらに水がうまれ、水が雨となって降りたまり44億年前に海が誕生しました。その後ほぼほぼ微生物レベルの時代が続き、古生代と呼ばれる今から5億年前ほどにようやく我々のご先祖にあたる多細胞生物らしい多細胞生物が、何億年という世界では短い一千万年くらいの間に凄まじい種類の動植物が誕生しています。

4億2千万年前、陸上に植物が登場。それを追いかけるように、節足動物が地上に登場。昆虫もそこから登場し、植物は糖分を逆つなぎ(でんぷんはαーグルコース、セルロースはβーグルコースで、異性体関係にあります)セルロースは強固な成分でこれを使うことで木を発明。しかし地球にはこの「木」を構成するセルロースを分解する方法がなく、自然に腐って水分が抜ける程度で繊維質が残りまくり、それが1億年近く木が土にならないという状況が続きます。その後、セルロースを分解できる細菌が生まれたことで地球から大量の木が消えていくのですが、その名残で石炭紀の名前の通り、この時期に積もり積もった木が地層の中で大量に石炭化した・・・という流れです。

そして2億5千万年前から6500万年前まで恐竜の時代、中生代が続くわけです。

こう考えると我々人類は宇宙時間ではマジで秒以下のニワカな感じです。このニワカはイキりにイキって現在恐竜の大絶滅と同じクラスの大絶滅を地球にもたらそうとしています、この絶滅の話は以前話をした回に続くのですが、それを防ぐことができるのもまた人間なので、一人一人の環境意識というのは小さいものでも凄く大事なわけです。

>>アリエナクナイ科学ノ教科書:第26回 人類絶滅! 絶滅までの科学的シュミレーション

●宇宙の死

はてさて、ビッグバンにより始まった138億年前に始まった宇宙は膨張し続ける・・・もしくは、その逆である程度まで広がると今度は収縮への歩みを始め、最終的にまた1点へ収縮してしまう。これをビッグクランチ理論と呼び、1つの宇宙終了モデルとして知られています。

ただこれはどういった経緯で起こるのかも予測もなにも不可能なのでまだなんともまとまっていない理論のようです。

とはいえ、宇宙が終了するまえには太陽どころか太陽系も天の川銀河もないので誰も観測しようがないんですけどね・・・。

くられ

*Discovery認定コントリビューター

サイエンスライター、Youtuber、大学講師第など幅広く活躍。「アリエナクナイ科学ノ教科書」(ソシム)日本SF大会主催 49回 星雲賞ノンフィクションを受賞。近著は化学の生化学の入門を楽しいキャラで学べる「毒物ずかん」(化学同人)、アリエナイ理科ノ大事典(三才ブックス)薬理凶室名義 などがある。現在週刊少年ジャンプ連載中の「Dr.STONE」では科学監修を務める。

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タイトルイラスト:夢路キリコ https://www.yumejikiriko.com//