犬の寂しそうな表情、実は人間のために進化して得た能力かもしれない

犬が飼い主を見て寂しそうな顔をするときがある。眉毛を下げて悲しげに見えるこの表情、実は犬が進化で得た人とのコミュニケーション能力である可能性が最新の研究で示唆された。

科学雑誌「Proceedings of the National Academy of Sciences」で6月17日に発表された「子犬のような目(Puppy dog eyes)」の進化を調べた研究では、犬が時折見せる、眉を下げた寂しげな表情は、人間の感情を模倣する形で進化したのではないかとしている。

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犬は、約3万年前に野生の狼から人と共存する犬として変化していった生き物。研究は、犬とオオカミの目の筋肉を比較する形で行われた。

研究者たちは、6匹の死亡した犬と4匹の死亡した野生の狼を解剖し顔の筋肉を比較した。6匹中5匹の犬は眉を動かすことができる強い筋肉を持っていたが、狼の目の筋肉はは非常に細いか、細すぎて見逃すほどであったという。犬には一様に存在する目の筋肉が、野生の狼にはほとんど存在しないことが確認されたのだ。

さらに、人に慣れていない27匹の保護犬と9匹の野生の狼が人間の近くでどれだけ眉を動かすかを記録したところ、犬が狼の5倍の頻度で子犬のような寂しげな表情を作ったことが確認された。

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この寂しさを表す能力は、人間の乳児が混乱した際に悲しくなることに似ているかもしれないと研究者たちは述べている。

今回の研究では、解剖学と行動分析を結びつけて人と生活する中で進化したものとの結論に至っているが、研究の規模が限定的であったため、あくまでも仮説の域を出てはいないようだ。だが、これから研究が進めばさらに多くのことがわかってきそうだ。