文明を避けて生きる、知られざる部族たち

世界中には、文明から離れて生活する「未接触部族(Uncontacted peoples)」と呼ばれる人たちが存在する。

先住民の保護活動を行なっているNGO「サバイバルインターナショナル」のデータによると、同じような部族は世界中に100以上存在しているという。地理的な要因などで人里から遠く離れているため、その独立性は現在でも保たれているのだ。

だが、彼らの平穏な生活は、森林伐採などによって奪われつつある。

Credit: Survival International 男性が生活している家

2018年、ブラジル・ロンダニア州のアマゾンで、非接触部族の最後の一人とみられる男性が映像に捉えられた。映像を撮影したFUNAI(ブラジルの国立先住民保護財団)は、この男性を外敵脅威から守るため、過去22年間見守ってきていた団体だ。男性は、オノで木を削ったり、動物を捕まえるために穴を掘るなどして生活している。

ここでは、1980年代に違法に森林伐採や土地を略奪する者たちによって、先住民たちが追放されたり殺害された事件が起こっている。男性は、こうして一人残されてしまったと考えられている。

Credit: G. Miranda/FUNAI/Survival International

サバイバルインターナショナルは、アマゾン川流域だけでも80以上の非接触部族が生活していると説明している。こういった外界と接点を持たない先住民のコミュニティは、インフルエンザなどの伝染病に対する免疫が弱いとされる。同団体は、外界との接触は彼らの命に関わる行為であるため保護する活動を続けている。保護といっても、実際には直接接触はせずに、上空からの撮影などで密猟者や違法な採掘者から見守るという形だ。

文明に生きる私たちが知らないだけで、世界中にはそういったコミュニティがまだまだ多く存在する。そして私たちの多くは、そういった人たちへ行われている侵略行為も知らないままなのである。