なぜ見えない場所のことが分かる? 人間より動物の五感が優れているわけ

 

このようにヘビがチロチロと舌を出している姿、見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。

では、ヘビはなぜ舌を出し入れしているかご存知でしょうか。

のどが渇いたから?それとも、獲物を見つけて舌なめずりをしているから?…いいえ、違います。実はあの行動、舌の先にある感覚器官で様々な情報を集めているのです。ヘビたちは獲物の匂いや仲間の出すフェロモン、種によっては熱に至るまでありとあらゆる情報を舌で得て行動しているのです。

今回は、そんな動物たちや人間の知られざる感覚に関する雑学を紹介します!

人間とどう違う?動物たちの特徴的な感覚

外部からの情報の9割を視覚に依存しているとされる人間と違い、多くの生物は視覚以外の感覚を使って獲物や繁殖相手を探したり、危険を察知したりしています。

例えば2004年、東京大学の新村芳人特任准教授らの研究チームはゾウの嗅覚が調査した動物の中で最も優れていると論文で発表しました。具体的には、臭いを感じる嗅覚受容体の遺伝子がイヌのおよそ2倍あったというもので、この遺伝子が多ければ多いほど嗅覚が優れていることになるそうです。

ゾウたちは自らを狩猟する部族かそうでないかを嗅覚で判断して、回避しているという研究もあり、その嗅覚の良さがよくわかりますね。

また、映画などで題材とされるホホジロザメは900メートル以上離れた場所の血の臭いを感知することができる極めて優れた嗅覚を持っています。

その優れた嗅覚はサメの嗅覚の独特な構造によるものです。サメは人間とは異なり、呼吸器につながっていない2つの鼻孔を持っています。さらにその中に2つの開口部があり、その1つから水を取り込み、もう1つから水を排出します。開口部の中にはびっしりと臭いを嗅ぎ分けるセンサーのような受容器があり、それによってサメは臭いを嗅ぎ分けているのです。さらに、サメは脳のおよそ3分の2を嗅覚を司る部分が占めているとされています。

このように、特に嗅覚の分野で動物は非常に高い能力を持っており、生き残りに関わる様々なことに活用しているのです。では、我々人間の嗅覚はどのような役割を担っているのでしょうか。

人間の嗅覚、実は鍛えられる!

「香りという無限の組み合わせを感じる嗅覚というものは、動物をそれ自体で喜ばすものである」。

これは稀代の天才であり、科学の父ともよばれるレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉です。

先程少し述べたように、人間は外部からの情報の9割を視覚に依存しており、嗅覚に頼る部分は多くはありません。私達は食べ物の在り処や魅力的な異性がどこにいるかを臭いで判断したりはしませんよね。

しかし、ダ・ヴィンチの言う通り、香水やアロマの香りは私たちを心地よくさせ、畳や木の香りは私たち日本人を安心させます。私たちは嗅覚を生活を豊かにする手段として使っていると言っていいでしょう。

ここで、人間の嗅覚に関する興味深い話を紹介しましょう。

実は、人間の嗅覚はトレーニング次第で鍛えることができるのです。東京大学大学院、東原和成教授によるとワインのテイスティングだけでなく、日常の暮らしでも「これはレモンの香り」、「これはカレーの香り」というように意識することで脳が鍛えられ、よりその香りに敏感になることができるといいます。

また、同教授によるとワインにも含まれるイソ吉草酸という足の裏の臭いと同じ臭いが全く感じられないという人も数十人に1人存在するなど、ある特定の匂いを感じられないという人も一定数存在するようです。

これは遺伝子によるものが大きいらしく、他にも性別や国籍によっても臭いの感じ方は大きく異なるようです。ヨーロッパの人々がマツタケの香りを臭いと感じてしまうのはそういうわけですね。

いかがだったでしょうか。五感という普段あまり気にしないトピックに対して、少しでも興味を持ってもらえたなら幸いです。アニマルプラネットでは特に動物の五感について迫った完全新シリーズ『動物 驚異の感覚器官』が放送されます。もし、この記事で少しでも動物の五感について興味を持たれたなら是非チェックしてみてくださいね。

放送日時:7月9日(火)21:30スタート『動物 驚異の感覚器官』はアニマルプラネットにてご視聴いただけます。未視聴の方は、こちらからご確認ください。