血液型占いを作ったのは大学教授、血液型占いの意外な事実

 

 

「A型は几帳面」「B型はマイペース」「AB型は天才肌」「O型は大雑把」…。

血液型占いではこういわれることが多いのではないだろうか。「全く信じていない」という方も多いかもしれないが、実はこの占い、日本の大学教授が作ったということを知ると驚くのではないだろうか。

基礎を築いたのは東京女子高等師範学校の教育学者・古川竹二(ふるかわ たけじ)教授だ。入試の責任者でもあった古川教授は、テストの点数ばかりが重要視される傾向に違和感を持ち、性格的な面も考慮すべきだと考え、公平に性格を判断する方法を模索した。

そうして1927年に発表された論文「血液型による気質の研究」は”古川学説”と呼ばれ、心理学だけでなく医学、教育など多くの分野で注目され、調査が行われることとなった。

そして、現在のように血液型占いを一般的にしたのが文筆家の能見正比古(のみ まさひこ)氏。古川学説に影響を受け、1971年に「血液型でわかる相性」、1973年に「血液型人間学」など、一般人向けの著作を発表。これをきっかけに血液型占いが広く知られることになった。

さらにテレビ番組で取り上げられると血液型占いは空前のブームになる。血液型を題材にした歌や血液型別のCMも放送され、ブームはお隣、韓国や台湾にまで影響を与えるまでになった。

一方こうしたブームの裏でアメリカのニューヨークタイムズは「日本独特の奇妙な科学」さらにウォール・ストリートジャーナルには「強迫観念に近い」と報じられた。

実際海外の人は自分の血液型すら知らないという人がほとんどで、血液型占いは奇妙に見えるという。では実際のところ、科学的な根拠はあるのだろうか。

これまで数々の研究がされてきたが、そのほとんどが「血液型と性格に関連性は無い」というものだ。

例えば古川学説の場合、注目度の高さから教育、医学、産業、軍事など、少なく見積もっても300以上の追試が行われたというが、血液型と性格の明らかな相関関係は確認できず、1933年には学会によって否定されている。

また、古川学説はたった11人の親族のデータからB型とO型は外交的、A型とAB型は内向的という仮説を出し検証されたもので、現在の統計学からすると有効なデータでは無いという意見もある。

さらに2014年には、社会心理学者の縄田健悟(なわたけんご)教授による「血液型と性格の無関連性」という論文が発表された。この研究では日本人だけでなくアメリカ人も対象に1万人以上にアンケート調査が行われ、血液型によって回答に違いがあるか検証を行った。

結果、「個人の好み」「将来の計画」「宗教」「ギャンブル」「恋愛」など68項目のうち、65項目において、血液型による特定のパターンは観察されなかったという。

ではなぜここまで血液型占いが人々の心をとらえたのだろうか。

キーワードは「確証バイアス」と「バーナム効果」の2つだ。

確証バイアスとは「自分に都合のいい情報だけ取り入れて都合の悪い情報は無視してしまう」という心理的な偏りのことだ

例えば「A型で几帳面な人」と「B型で几帳面な人」がいたとすると、A型の人は「やっぱりA型は几帳面」と思うが、B型の人は「B型なのにA型っぽい」と思わるというわけだ。

このように「A型=几帳面」という図式は変わらず、「B型なのに几帳面」という都合の悪い情報は切り捨ててしまうのだ。

「科学的根拠がない」と何度も科学者が発表しているのに信じてしまうのも、まさに確証バイアスの影響だ。

もう一つのバーナム効果は「曖昧で誰にでも当てはまることを、さも自分のことだと認識してしまう」心理効果のことだ。

「A型は几帳面」「B型はマイペース」「O型は大雑把」「AB型は二面性がある」…。これらを見て当たってると思ったなら、他の選択肢の性格も当てはまるのではないだろうか。

「つまらない…」と思われたかもしれないし、実際そう思われるのも当然かもしれない。ただ、科学的に裏付けがなくても「今日のあなたはツイてる」と言われると悪い気はしないだろう。一種のエンターテインメントを楽しめていると考えると、提唱者の古川教授に感謝してもいいかもしれない。