犬の気持ち、誤解していませんか?犬の本当の気持ちに関する研究3選

犬を飼ったことのある人なら、一緒に遊ぶときの楽しそうな顔や、怒った時の悲しそうな顔を見たことがあるのではないだろうか。

実は、犬の表情については近年研究が進み、様々なことが明らかとなっている。今回はその中から3つを紹介しよう。

イギリス・ポーツマス大学の研究チームは「犬が人間と同じように顔の表情を使って人と意思疎通を行う能力がある」ことを明らかにした。

実験では飼い主役の実験助手に、

「A:餌を持って顔を向ける」

「B:餌を持たずに顔を向ける」

「C:餌を持って背中を向ける」

「D:餌を持たずに背中を向ける」

の4つの条件で犬の前に立ってもらい、表情の変化を観察した。

その結果、実験助手が背中を向けている時に比べ、顔を向いている時の方が顔の動きが活発になり、背中を向けているときは無表情になることが分かったという。

中でも興味深いのは、多くの犬が自分を見ている時に、眉をあげて目をぱっちり開ける「子犬の目(パピードッグアイ)」と呼ばれる表情をするということだ。

しかも、相手が食べ物を持っている、持っていないに関わらずだ。これは犬が食べ物欲しさに「子犬の目」をするのではなく、もっと人間と深いコミュニケーションをとりたいためにしている可能性を示している。

また、研究を主導したジュリアン・カミンスキー博士は「犬の表情は、意思疎通を図ろうとする積極的な試みであることを今回の研究結果が裏付けた。しかも犬は子犬の目がとても効果的であることを知っていると思われる」と、犬の表情は計算ずくの可能性を指摘している。

もしかすると、犬は可愛がられるのを知った上でパピードッグアイをして私たちを虜にしているのかもしれない。

また、別の研究者は「犬は人間の表情だけでなく、その裏にある感情も読み取ることが出来る」としている。

アメリカ・タフツ大学カミングス校の動物行動学者、ニコラス・ドッドマン教授は「犬は人間のボディーランゲージ、眼、瞳孔の大きさを読み取っている。表情を読みとれるというのは驚くべきことではない」と述べている。

この主張はリンカーン大学の動物学者、ダニエル・ミルズが行った実験でも証明されている。実験では17匹の飼い犬の前にスクリーンを置いて、他の犬の「楽しそうな顔」「怒った顔」の2種類を見せる。そこから、犬の鳴き声を聞かせ、どちらの画像を見るか観察するというものだ。

嬉しくて興奮しているような吠え方の時は、犬たちは楽しそうな顔の画像をじっくり見ていたが、威嚇するような吠え方の時は怒った顔の画像をじっと見ていたという。そして、それは画像が人間の場合でも同様だった。

この研究によって、犬は人間の表情から感情の違いを区別できることがわかった。もしかすると、犬たちは私達の想像以上に私達のことを理解しているのかもしれない。

一方で私たちは犬が見せる表情をきちんと理解しているのだろうか。認知科学者のアレクサンドラ・ホロウィッツ教授は「人間は犬の感情を間違って捉える傾向がある」と述べている。

同教授は「罪悪感の表情」がその代表例だと指摘。小さく縮こまって、目の下を白目にしてこちらをじっと見つめるあの表情だ。なんとも切なく悲しげな表情に見えるが、これらは犬が恐怖を感じているサインだという。

実験では、複数の犬におやつを食べないよう命令し、飼い主には部屋を出る。その後、何人かの飼い主に「あなたの犬はおやつを食べてしまいました」と”嘘”をついた。(※実際は言いつけを守っている)

言いつけを守っていた犬たちだが、飼い主に叱られると伏し目がちになり、目を合わすのを避けたり、耳を寝かせた。つまり先程述べた罪悪感の表情をしたという。

この実験によって私たちが思う罪悪感の表情は、本当は飼い主に怒られることへの恐怖ということだとホロウィッツ博士は結論づけている。

いかがだっただろうか。犬たちが私達のことを想像していた以上に理解しているのに対して、私達は思っているほど犬たちのことを理解できていないのかもしれない。私たちは犬が何を求めているのかしっかりと理解し、適切に接してあげることが必要になるだろう。