猫や赤ちゃんが何もない場所をじっと見つめているとき、そこに何があるのか…大人の人間には見えないあるものとは

ふと、ベッドで寝ている赤ちゃんや飼っている猫に目をやると、何もない場所をじっと見つめていることはないだろうか。

時として、何もないのに目で何かを追っている時もあるだろう。その不思議な行動から、もしかして幽霊が見えてるのではないか、と考えてしまう人も少なくはない。

赤ちゃんや猫にはいったい何が見えているのだろうか。

 

目次

  • 猫が何もない場所をじっと見つめる理由
  • 赤ちゃんは何を見ている?
  • 猫と赤ちゃんが見ているものの正体は…

 

猫が何もない場所をじっと見つめる理由

Credit: Antonio Lapa on Unsplash

飼っている猫が何もない場所を目をそらすことなくじっと見つめていることがある。飼い主が声をかけても応じずに何かを集中して目で追っていたり、何もない場所に飛びかかって何かを捕まえようとしたり。

もしかして人間の目に見えない何かが見えているのでは?という考えが頭を過るかもしれないが、結論から言うと、実はその通りなのである。

Animal Acupunctyreの獣医であるラチェッド・バラックは、猫は紫外線といった人間に見えないものも見えているのだと説明する。2014年に行われた調査では、猫だけでなく犬も同様であることが示唆されている。

Credit: Creative Commons

MSPCA Boston Adoption Centerのケイティ・アルマーは、猫の目は、人間と比較して多くの光を感知できるのだとしている。これは、夜の暗い場所でもわずかな光で活動できるための能力である。猫の見ている世界は、人間が見ているものとは異なった見え方をしているのではないかとアルマーは語る。

また、アルマーが飼っている猫は、テレビが発する光ではなく、テレビの光が反射している反対側の壁を見つめていることがあるのだという。さらに、トラックの走行によって舞い上がった埃が太陽の光を透過する様子もじっと見つめるのだそうだ。

こういった一見何もなさそうなところに向かって反応を示す姿は、何も見えていない人間からすると不安になるような行動に映るだろう。犬や猫は非常に好奇心旺盛な生き物であるため、特にそういった行動をとりやすいのだとしている。

結局のところ、人間にとっては何もないところでも、猫にとってはしっかりとそこにある何かを見ているのである。

 

赤ちゃんは何を見ている?

Credit: Mindy Olson P on Unsplash

猫は人間には見えない紫外線などが見えていることがわかったが、人間の赤ちゃんはどうだろうか。生後間もない赤ちゃんも、何もない場所をじっとみたり、突然笑い出したりすることがある。

生後3ヶ月ごろから自分の目の動きをコントロールできるようになる乳児には、実は大人には気づけないものを見ている可能性がある。

中央大学の研究チームが2015年に発表した論文では、生後3ヶ月から8ヶ月までの乳児を対象に行った研究の結果が報告された。その研究によると、3ヶ月と4ヶ月の乳児は、大人の人間は気づけない画像の違いがわかるのだと言う。

Credit: Yang Jiale

研究では3つのカタツムリのCG画像が用いられた。この画像は、一見全て同じカタツムリで、AとBが光沢のあるカタツムリのほぼ同じ画像、Cが光沢がないカタツムリの画像に見えるだろう。だが、3ヶ月と4ヶ月の乳児は、Cではなく、AとBの違いに意識が集中したのだと言う。AとBは同じ光沢のあるカタツムリの画像ではあるが、ピクセル強度が異なった画像だったのだ。乳児は、表面的な違いにあまり影響されることなく、その些細な違いの方を判別したのである。

この時期の乳児は、オブジェクト自体の変化よりも、光の変化を集中して見ているのだという。大人の人間はそういった些細な光の変化は気づけず、見た目の変化だけしか認識できないのでる。

生後7ヶ月から8ヶ月になると、視覚が大人に近づいていくため、上記のような違いに気づけなくなっていくのだという。それは脳と視覚の発達においては正常な状態であるとされる。別の研究では、生後6ヶ月未満の乳児は、顔だけで猿の個体を判別できるが、9ヶ月の乳児や成人は猿の顔は判別できず、人間の顔しか認識できないことが示されている。

大人が気づけないわずかな光の変化を、赤ちゃんはしっかりと認識して見ているのである。

結局、赤ちゃんが何もないような場所を凝視しているのは、わずかな光の反射や太陽光を透過している宙を舞う埃など、大人が気づけないものを見ているのだと推測される。

また、乳児は目に入る情報から常に学んでいる状態であるためにずっと頭を使っていると考える研究者もおり、考えごとをしているために何もない場所をじっと見ているような行動をとっている可能性もあるのだという。

 

猫と赤ちゃんが見ているものの正体は…

Credit: Picsea on Unsplash

猫も赤ちゃんも、人間の大人には見ることができなかったり判別できないものを見ていることがわかった。

だが、幽霊が見えているわけではなかったと、ほっとするのはまだ早い。猫も乳児も、実際に何を見ていたかについて確認をとることはできないからだ。俗に「幽霊」と言われるものを見ている可能性も否定することはできないのだ。最近も、イギリスで赤ちゃんの前に現れる「幽霊」の映像が公開され、話題になっているのだから。

その正体が紫外線であれ光であれ幽霊であれ、猫や赤ちゃんに見えているものを大人である私たちが確認する術は、今のところ存在しないのである。