水中でも呼吸が出来る!驚きの研究結果を紹介

「水中で自由に呼吸が出来たら…」

そんな風に考えたことはないだろうか。

今、そんなSFのような技術が実現に向けて大きく動いているのだ。

その前にまず、人間が水中で呼吸が出来ないわけを説明したい。

実は人間が水中で呼吸が出来ないのは水中に溶け込む酸素の量は人間にとって少なく、人間が生きるのに必要な量の酸素を取り込むことが出来ないからなのだ。逆に言うと、水中にも地上と同じくらいの酸素量があれば呼吸は可能になると考えられている。

そこで世界の科学者たちは、酸素を大量に含んだ特殊な液体の中であれば呼吸が可能か、長きに渡り研究を続けてきた。「液体呼吸」と呼ばれる技術だ。

研究が始まったのは1962年までさかのぼる。

ニューヨーク州立大学の生物学者キルストラ博士は圧力をかけて酸素を溶かした食塩水にマウスを入れて呼吸が可能か調査した。

結果、マウスは液体中で呼吸することに成功。なんと18時間も生き続けたという。この実験で肺は気体からではなく、液体からも酸素を取り込めることを証明したのだ。

ところがこのマウスは二酸化炭素を十分に排出出来ず、二酸化炭素中毒になり後に死亡。その後は食塩水の代わりに水の20倍もの酸素を溶け込ませることが出来る特殊な液体「パーフルオロカーボン」を使うなど、改良が進められてきた。

その後も研究は進み、1989年に公開された映画「アビス」においては、液体呼吸をマウスで行う描写を、CGではなくパーフルオロカーボンを元にした液体を使い実際に液体呼吸を行なっていたという。

近年では2017年、ロシアの研究チームが液体呼吸の様子を公開して話題になった。被験体となったのダックスフントは40秒後に引き上げられ、無事生存が確認されたという。

その研究チームのスポンサー「高等研究財団(Foundation for Advanced Research)」のヴィタリー・ダヴィドフ理事長は現段階で「犬は水深500メートルに30分いることが出来る」と述べた。

いかがだっただろうか。聞いただけでワクワクするような話だが、液体呼吸の研究は今後医療分野や深海探査、宇宙開発など、様々な分野での活用が期待されている。SFのような話だが、実現はそう遠くないことなのかもしれない。