未だ解き明かされない怪物ネッシーの謎!6世紀の聖人が遭遇した怪物伝説から、現在の最新調査まで

世界で最も有名だが誰もその正体を知らない生き物が、ネス湖の怪物「ネッシー(Nessie)」だろう。

今なお目撃報告が続くことから、ネス湖では研究者らによる調査が続けられている。そして、2018年に始まった「ネス湖の最終的かつ決定的な調査」が行われている今、ネス湖の怪物伝説がどのように始まり、世界に広がったのかを紹介しよう。

 

目次

  • 世界一有名な湖「ネス湖」
  • ネス湖の怪物伝説とは
  • 世界を驚かせたネッシーの写真
  • 目撃例と今後の調査
  • ネッシーは本当にいるのか

 

世界一有名な湖「ネス湖」

Credit: Fernando Venzano on Unsplash

スコットランドのハイランド地方にあるネス湖は、直径37キロメートル、水深は最大で深さ226メートルもあるスコットランドで2番目に大きい湖だ。

1930年代に首長竜のような姿の生き物を見たという話が新聞で報じられたことから、今や世界的に有名な湖となった。ネス湖で撮影された水の中を移動する不思議な物体の目撃報告が後を絶たないことから、最も有名なミステリースポットの1つになっている。

 

ネス湖の怪物伝説とは

Credit: パブリックドメイン

ネス湖付近の怪物の話は、6世紀の聖コロンバ(St. Columba)の生涯を記した書物で初めて登場している。565年、アイルランドから来た修道僧コロンバがネス湖に流れ込むネス川を訪れた際、弟子が「水の獣」に襲われたとしている。

Credit: The Daily Mail

1933年8月4日、ロンドン在住のジョージ・スパイサーという男性から、新聞社にある手紙が送られてきた。それは、同年7月22日にスコットランドのネス湖付近をドライブしていた際、1.8メートルから2.5メートルほどある、まるでドラゴンのような旧時代の動物を目撃したという内容だった。胴体は大きく高さもあり、長い首を上下させていたという。この手紙が新聞に掲載されたことで、ネス湖の怪物が伝説ではなく、本当にいるのではないかとの噂が世間に広まっていったのである。

同年11月には、ネス湖周辺のフォイヤーズで、ヒュー・グレイという人物によって撮影されたという怪物の写真が公表された。だが、これは後の調査で、水の中にいる犬かカワウソの写真である可能性が高いとされた。

大きな騒動となった「ネス湖の怪物」は、やがて「ネッシー」と呼ばれるようになっていく。

 

世界を驚かせたネッシーの模造写真

Credit : The Surgeon’s Photograph, 1934 via Super Natural History

1934年4月21日の英デイリーメール紙に掲載され、世界を騒がせたネッシーと思わしきものを捉えた写真。「外科医の写真」として有名なこの写真は、ロンドンの婦人科医ロバート・ケネス・ウィルソンが撮影したものとされていた。長い間、ネッシーが存在する証拠ではないかと議論されてきたが、1993年のディスカバリーチャンネルのドキュメンタリー番組「Loch Ness Discovered」で行った画像解析によって、このネッシーと言われてきた被写体は、60センチから90センチ程度の大きさのものであると鑑定された。

そして1993年11月、この写真はデイリーメール紙に雇われていたマーマデューク・ウェザレル(Stepfather Marmaduke Wetherell)らによる模造写真であることが、当時写真に関わった人物の親族から明らかにされることになった。

1930年代初頭、ネス湖では怪物を目撃したというニュースが話題となっていた。そこでウェザレルは、ネッシーの足跡をでっち上げ、デイリーメール紙へ特ダネとして持ち込んだ。だが、足跡の鑑定を行ったロンドン自然史博物館によって偽物であると証明されてしまう。もっと巧妙なものをと考えたウェザレルは、職人だった継子にネッシーの模型を作らせた。これは潜水艦のおもちゃを改造した45センチx35センチほどの大きさの模型だった。ウェザレルはそれを使って海岸で撮影し、写真の信憑性を持たせるために、知人であった医者のウィルソンが撮影したものとしてデイリーメール紙に投稿したのである。

 

長期にわたる目撃報告と今後の調査

ジョージ・スパイサーによる目撃情報以降、ネス湖の怪物の目撃情報は今日に至るまで寄せられ続けている。怪物の姿をはっきりと捉えたものはないが、ネス湖を移動する「何か」を多くの人が同時に目撃していたり、それを捉えたビデオ映像が数多く存在しているのだ。

Credit: University of Otago

その「何か」を調べるため、1934年以降から様々な調査が行われ続けている。

そして現在、ネス湖の怪物の議論に終止符を打つため、ニュージーランド・オタゴ大学のニール・ゲンメル教授をリーダーとした多国籍チームが編成され、DNA調査が実施中だ。これは、ネス湖から採取された水から、そこに生息する生き物のDNAを解析し、現在知られている動物のDNAと照合するというものだ。この調査で未知のDNAが見つかれば、ネス湖には少なくとも人類が知り得ていない生き物が存在していることになる。その結果は2019年中に発表される予定だ。

 

果たしてネス湖の怪物は本当にいるのか

ネス湖の怪物は、現在まで題材にしたドキュメンタリー作品やフィクション作品が多く作られるほど、人々を魅了してきたミステリーだ。アニマルプラネットの人気番組、『怪物魚を追え!』でも、ジェレミー・ウェイドがネス湖の怪物に挑んでいる。

Credit: The Royal Mint

今年に入っても、英王立造幣局がネッシーの図柄を採用した2019年版10ペンス記念コイン(A to ZコインのL)を作ることが発表されるなど、話題が尽きない。

最終的な調査の結果がどうであれ、ネス湖の怪物「ネッシー」の伝説は、これからも語り継がれていくのだろう。