アメリカの「UFO」目撃報告はなぜ19世紀から現在まで絶えることがないのか…その歴史を紐解く

世界的なミステリーの一つである「未確認飛行物体 UFO(Unidentified flying object)」。

UFOの記録は紀元前にまで遡ることができ、現在でもその報告は絶えない。人工物のような形であったり、火の玉であったり、ジグザグに飛行する発光体であったり、火の玉状のものであったり。今も、世界中で様々な形状のUFOが目撃され続けているのだ。

 

目次

  • UFOのとは
  • アメリカでのUFOの目撃報告
  • UFOの正体の仮説
  • 正体が判明したUFO

UFOとは

「UFO」と聞いて、最も思い浮かべられるのがアダムスキー型をはじめとした円盤型の宇宙船だろう。だが、UFOはその言葉の通り、説明が困難な飛行物体を総称するものであり、宇宙人の乗り物だけを指すものでは無い。

UFOがそもそも何かわからないこともあり、どこかの国の極秘兵器、未来人のタイムマシーンなど、現在でもその正体を巡って数多くの憶測・推測が飛び交っている。

 

アメリカでのUFOの目撃報告

Credit: Creative Commons

1942年7月にUFOが墜落したとされるニューメキシコ州で起こったロズウェル事件や、宇宙人研究施設があるという噂で有名なネバダ州の軍事施設「エリア51」など、世界でもUFOの目撃報告が活発なのがアメリカだ。

1865年の目撃情報

アメリカでのUFOの報告は1865年のものが最も古いとされる。9月中旬のある日の日没直後、猟師のジェイムス・ラムリーは、ミズーリ川上流の山あいで、東へ猛スピードで移動する強い光を発する物体を目撃した。この物体は5秒後には爆発し、消滅したという。ラムリーが目撃した際、硫黄の匂いがしたそうだ。

翌日、ラムリーはキャンプ地からおよそ3キロ離れた森の中に何かが墜落しているのを発見した。この物体は岩のような素材でできており、表面には象形文字のような模様が描かれていたという。周辺にはガラスのようなものの破片と、奇妙な液体も残されていたとされる。当時、地球外知的生命体が乗ってきた乗り物ではないかと地元新聞は報じていた。

1870年頃、上空でUFOを写したと言われていた写真。実際は自然現象によってできた氷の塊の写真をクローズアップしたものであった。黒い物体は木片のようなものと思われる。 Credit: パブリックドメイン

1878年の目撃情報

1878年1月25日には、テキサスの農夫ジョン・マーティンが「空飛ぶ円盤(flying saucer)」を目撃したと地元新聞で報道された。同年1月2日の明け方、猟をしていたマーティンは南の空に浮かぶ風船の形をした奇妙な物体を目撃した。遠くに見えるそれはオレンジほどの大きさに見えていたが、ものすごいスピードで近づいてくるとマーティンの頭上を通過していった。実際に目撃したのは「風船型」の物体であったが、報道で「円盤型」とされたとの話もある。

1897年の目撃情報

19世紀のアメリカで最も有名なUFOの目撃報告は、テキサス州の小さな町「オーロラ」で起こったUFOの墜落事件だろう。1897年4月17日午前6時、葉巻の形をしたUFOがオーロラの上空に出現した。このUFOはアルミと銀を組み合わせたような金属でできており、南から北へ移動していたという。ゆっくりと動いていたUFOは風車に衝突し、爆散したとされる。

当時の報道では、事故現場で見つかったパイロットらしき死体は普通の人間ではなかったとするものもあるが、真偽は定かでは無い。この事件は、1986年に『The Aurora Encounter』というタイトルで映画化もされた。

テキサスでは現在もUFOの目撃情報が後をたたない地域の一つだ。

Credit: パブリックドメイン

1860年代、アメリカ国内で起こった南北戦争では偵察用に気球が用いられていた。また、1852年には、ヨーロッパで蒸気機関による飛行船が完成しており、当時の目撃報告の時期とこれらの形状が似ているのは興味深いところである。

最近のUFOの目撃報告

最近ではニューヨークタイムズが2017年12月16日の記事で2004年に米海軍が目撃したUFOについて報道している。それは、米海軍がUFOを発見し、戦闘機のパイロットが追跡を行なったというものだ。

ニューヨークタイムズが当時の海軍士官デイビッド・フレーヴァーとジム・スライトへ行なった取材によると、事件当日、太平洋上空約2万4000メートルの場所に突如謎の飛行物体が出現したという。2機のF16戦闘機が向かい、サンディエゴ周辺の太平洋上空で目視した。その物体は、約15メートルx約12メートルほどの大きさで楕円形をしていた。この物体は不規則に動き、6000メートルの位置でホバリングした後にまるで泡のように消えてしまったとしている。

 

UFOの正体の仮説

UFOがいわゆる宇宙人の乗り物ではないかという考えが一般的となったのは、前述した目撃報告の新聞報道によって異星人の宇宙船説が流布したことや、1865年のジュール・ヴェルヌによる『月世界旅行』、H・G・ウェルズによる1898年の『宇宙戦争』などの19世紀後半から20世紀初頭にかけてのSF小説のヒットも影響していると考えられるだろう。宇宙人を題材にした作品は、現在もかなりの頻度で作られ続けている。

「UFO=異星人の宇宙船」説に関する明治大学の研究チームの分析では、宇宙には地球外生命体が存在する可能性はあるとしつつも、UFOがその宇宙船であると考えるのは難しいとしている。理由としては、SF的な想像で補うことのない、現実的かつ理論的な移動手段が存在しないこと。個人の主観に基づいた目撃報告がほとんどであり、再現性がないことなどをその理由にあげている。UFO現象は、「実際に宇宙人が宇宙船に乗ってきたもの」よりは、精神疾患に起因するほうが合理的であると研究チームは結論づけている。

実際、第二次世界大戦後に始まった、世界中の天文台や研究者が行なっている地球外生命体探査(SETI (Search for extraterrestrial intelligence))では、現在も生命の存在の可能性を示唆するにとどまっており、具体的に地球外知的生命体の存在を示す証拠は見つかってはいない。

 

正体が判明したUFO

Credit: Ambir Tolang on Unsplash

これまでUFOとされてきたものでも、すでに科学的に解明していものがいくつかある。それは夜空を光って移動して見える人口衛星であったり、大気圏の摩擦熱によって発光している隕石であったり、ロシアのミサイルの発射実験であったり、自然現象であったりだ。

だが、2004年の米軍による遭遇事件のように、全ての飛行物体の正体が判明しているわけではない。それらが地球外のものか自然現象かは定かではないが、未確認の飛行物体「UFO」がこの地球上に存在していることだけは確かな事実なのだ。