宇宙ステーションで火災発生!その時宇宙飛行士達が取った行動とは

「火事だ!」

パニックを起こすまいと冷静を保ちつつ言ったこの一言が他の宇宙飛行士の耳に届くことはありませんでした…。

Credit: Discovery Communications

1997年1月12日。アメリカ人宇宙飛行士ジェリー・リネンジャーが、ロシアの宇宙ステーション「ミール」に到着しました。当時のアメリカ人として最も長く宇宙に滞在したリネンジャー氏でしたが、滞在中に最も多くの危険にさらされた宇宙飛行士の1人でもあります。

そんな同氏を始め、共に宇宙ステーションで過ごしたロシア人宇宙飛行士の実際の証言や当時の貴重な映像で滞在中の事故を振り返るのが『宇宙ミッション・危機一髪』です。

1994年2月5日のスペースシャトル「ディスカバリー」のミール到着以降、冷戦の緊張緩和という意図もあってアメリカ、ロシア両国による宇宙開発は継続されていました。皮肉なことに、打ち上げ当日の2月5日は米ソ冷戦を引き起こすきっかけになったヤルタ会談(1945年)が開催されていた日でもあります。

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しかし、当時の政治的な緊張とは無縁な空気がミールには広がっていました。リネンジャー氏はロシア人のクルーに笑顔で迎えられ、全員でロシア料理を夕食として食べるなど和気あいあいとした雰囲気が映像からも伝わってきます。しかし、同氏が食事を終えて酸素タンクを稼働させたときにその事故は起こります。

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突然酸素タンクから火が吹き出したのです。叫べばパニックに陥ると考えたリネンジャー氏は冷静に「火事だ」と伝えようとしますが、室内の騒音のせいで誰も気づきません。結局、警報装置の作動によってようやく全員がその状況を知ることになりました。

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すぐにリーダーの指揮のもと動き始めるクルーたちでしたが、リネンジャー氏は酸素マスクが故障するという最悪の事態に陥ります。今までの人生がフラッシュバックし、思わす妻と息子へ別れを告げたというリネンジャー氏。しかし、奇跡的に別の酸素マスクを探し出すことに成功します。また、別のクルーが火災を消火してなんとかこの事態を乗り切ることが出来たのでした。

しかし、リネンジャー氏たちクルーに訪れたトラブルはこれだけではありませんでした。それは後に同氏が「誰がやっても必ず失敗した」というほど、無謀な実験によるものでした。