必要なのは筋肉だけじゃない!エド・スタフォードのように無人島や秘境で生活できる肉体の裏側

あなたはエド・スタフォードの『ザ・秘境生活』やベア・グリルスの『サバイバルゲーム』を見て、まだ見ぬ土地へと冒険に出てサバイバル生活をしてみたいと思ったことはあるだろうか。もしイエスなら、今すぐにあなたにはコンビニもスターバックスもない世界に出るための準備をはじめたほうが良いだろう。

無人島やアマゾンなどの秘境を生き抜くためには、キャンプのテクニックやギアの知識を得る以前に、屈強な筋肉と体操選手のようなしなやかさを兼ね備えた肉体が必要とされる。特に何も装備を持たず裸からサバイバル生活をスタートする場合は、己の体だけが裏切らない唯一の道具となるから尚更だ。

では、サバイバル環境を生き抜くための体を手に入れるにはどうすればよいだろうか。

元英国陸軍士官だったエド・スタフォードの経歴から、どうやって無人島や秘境を生き抜ける肉体と知識を得たのか見てみよう。

 

サバイバル生活をするために必要な最低限の体力とスタミナ

Credit: British Army

エドのタフな体のベースには、英国陸軍でのトレーニングがあるのは言うまでもない。ここから、サバイバル生活に対応できる体づくりに必要な要素を紐解いていこう。

英国陸軍に入隊するためには、最低限クリアしなければならない「フィットネス・テスト」と呼ばれるいくつかの体力テストがある。全員受けるのが「体力&スタミナテスト」と「ランニングテスト」、士官を目指すなら追加で「ビープテスト」「腹筋運動」「腕立て伏せ」をパスする必要がある。

体力テストは所属希望部署によって合格となる基準が異なっているが、歩兵士官だったエドは最も厳しいテストをパスしていることになる。

■体力&スタミナテスト

20kg〜40kgのバッグを1.45mまで持ち上げられる体力と、燃料容器を両手に持って30m〜120mを問題なく歩けることが合格の基準となっている。

■ランニングテスト

およそ2.4kmの距離を12分45秒〜14分30秒で走り切らなければならない。

■ビープテスト(士官希望者向け)

ビープテストは、ビープ音の間に20m離れた2つの線の間を走るというもの。最初はビープ音の間隔がゆっくりなレベル1.1からスタートするが、レベルが上がるたびに間隔は短くなっていく。最終的にビープ音に追いつかなくなったポイントがスコアとなる。合格ラインは男性はレベル10.1、女性はレベル8.1。

■腹筋運動(士官希望者向け)

仰向けになった状態から上半身だけを起こしていく腹筋運動は、2分間に50回できなければならない。

■腕立て伏せ(士官希望者向け)

男性は2分で44回、女性は2分で21回できなければならない。

■ランニングテスト(士官希望者向け)

およそ2.4kmの距離を、男性は10分30秒、女性は12分45秒で走り切らなければならない。

 

これらの体力テストは、英国陸軍がリリースしているiOS/ Android向けスマートフォンアプリ「100% Army Fit」を使って練習・確認することも可能だ。このテストを試して、自分の体力やスタミナがサバイバル生活のスタートラインに立てるかをチェックしてみるといいだろう。

 

『ザ・秘境生活』でも役立っている英国陸軍入隊後のトレーニング

Credit: British Army

英国陸軍に入隊後は、どの部署でも基本となるトレーニングがある。

基本となるトレーニングは、銃の取り扱い方法だけでなく、水泳、実用的な地図の読み方、応急処置といった実践的を踏まえたものから、サバイバル環境で大切な生物学や化学の勉強も行われる。『ザ・秘境生活』などの番組中にエドが現地の植物で作るシェルターも、ここで身につけた技術の応用である。

このようなトレーニングを受け、様々な技術を体に刻み込むことはサバイバル環境を生き抜くために欠かせない。だが、そういった肉体の鍛錬やテクニックだけでなく、現地の情報収拾や綿密な計画を立てるなどの地道な作業も、生死を分ける重要な要素となる。

 

軍隊以外でもサバイバル術を学べる登山のリーダーセミナー

エドが冒険に出てみたい人へ軍でのトレーニング以外でオススメしているのが、登山リーダーのセミナーだ。こういったセミナーは18歳以上で登山経験が1年以上であること、5000m走のタイムが25分以内であること、1時間で軽装で標高差400m以上を登れる能力があることといった、参加するための条件が授けられていることが多く、誰でも気軽に参加できるものではない。だが、日本国内でも同様の研修が行われており、軍隊のトレーニングよりははるかに参加しやすいはずだ。

Credit: Mountain Training Skill & Awards

6日間のトレーニングコースでは、登山のリーダーとしてグループのメンバーを正しくナビゲートできるようになるためのトレーニングメニューが用意されている。具体的には、グループの管理、正しいナビゲーション方法、アクセス可能ポイントや環境の把握、危険なポイントの把握と緊急時の対応、装備の知識、遠征・未開の地の探検のスキル、天候の把握に関する知識などを身に付けることが可能だ。

サバイバル生活への道は穏やかではないが、決して不可能なことではない。もしエドやベアのような冒険にチャレンジしてみたい気持ちがあるなら、何よりも基本的な体力づくりから始めなければならないことだけは確かだ。