月旅行も可能なスペースX宇宙船のテスト機、ついに完成

ZOZOTOWN率いる前澤友作氏がイーロン・マスク氏と共に発表し、世間を驚かせた「月旅行計画」。

その月旅行にも利用される宇宙船「スターシップ」のテスト機が、ついに完成した。

このスターシップは、宇宙開発の姿をどう変えるのだろうか。

 

もともとはBFRの名称

Credit: SpaceX

実はこのスターシップ、以前には「BFR(Big Falcon Rocket)」と呼ばれていたロケットの発展形だ。

BFRは2段式の超大型ロケットで、上段部分には100人程度の乗客を収容することも可能。また、上段の宇宙船と下段のブースターはともに自力で着陸し、再使用が可能となっている。

そして、国際宇宙ステーション(ISS)への補給や人工衛星の打ち上げ、月探査、火星探査、さらには地球の2地点を高速でむすぶ交通手段としての利用も想定されている。

 

ステンレスで作られる機体表面

Credit: SpaceX

 

スペースXはまず、全長が少し短いテスト機をテキサス州で組み立てた。このテスト機は、以前予定されていたカーボンではなく、ステンレスを素材に採用している。

ステンレスはあまりロケットの素材に採用されることは少ないが、マスク氏によれば「ごく低温ではわずかに、高温では非常に重量あたりの強度が優れている」と説明されている。また磨き上げられたステンレスは、熱を反射する効果もある。

さらに機体表面の冷却システムに液体燃料を使用したり、ロケットエンジンの改善など、さまざまな設計変更が予定されているのだ。

 

まずは小さく、そして大きく打ち上げる

Credit: SpaceX

スターシップのテスト機は、数ヶ月以内に短距離の打ち上げ(ポップ飛行)を予定している。そして2020年をめどに、軌道に達する打ち上げを実施する予定だ。

なお、実際の宇宙船は上のイラストのように、ステンレスがつややかに磨き上げられる。テスト打ち上げでは高い高度に到達しないので、その必要がないのだ。

開発が順調に進めば、前澤氏の月旅行は2023年に、そして2022年から2024年には火星探査にも利用される予定のスターシップ。SF世界から飛び出してきたよなこのロケットにより、宇宙はさらに身近なものとなるだろう。

 

塚本直樹

*Discovery認定コントリビューター

IT・宇宙・ドローンジャーナリスト/翻訳ライター。フリーランスとしてドイツを中心にヨーロッパにて活動しつつ、日本でのラジオ出演やテレビ、雑誌での解説も。 @tsukamoto_naoki