極寒の中、氷のように冷え切った水に飛び込む寒中水泳。想像しただけで身震いしそうだが、そんな寒中水泳の人気が、今静かに起きつつある。しかも、国土の1/4が北極圏に属する国、フィンランドで。
真冬の気温は氷点下で、マイナス20度になることさえある北欧の国で、なぜ寒中水泳が人気なのだろう?
寒中水泳大会には2000人以上参加
森や湖など自然あふれるフィンランドでは、昔から寒中水泳が行われている。凍てつくような寒さの季節、ビキニなどの水着になって、水の中に入り泳ぐ。心臓の弱い人には危険な行為だが、あえて寒い水の中に入ることで、血行や免疫力を促進するという健康目的で行う人も少なくない。
「フィンランド寒中水泳大会」は1989年から始まり、2019年でちょうど30年を迎える歴史ある水泳大会だ。会場となる屋外プールの周辺は降り積もった雪で覆われ、そこで参加者は25mを泳ぐ。この大会には、毎年世界各地から2,000人もの人が参加するために集まってくるのだ。

若い世代に運動後の寒中水泳が人気
フィンランドで寒中水泳を行う人の数は15万人ほどと見られており、ネット上には「寒中水泳のスポットリスト」が掲載されている。そして最近、そのリストに約240件、寒中水泳スポットが追加され、じわじわと人気が出てきているそうだ。
特に若い世代で、「クロスフィットなどの運動後に入るといい」と評判。筋肉の疲労回復を促し、ストレスさえも解放され、健康になれると、一度体験するとすっかり気に入ってしまう人が多いのだとか。
サウナとの相性もバツグン!
フィンランドでは多くの自宅や各マンションにサウナが設置されており、フィンランドといえばサウナのことを忘れてはいけない。そして、そんなサウナは寒中水泳との相性が抜群だ。冷たい水の中で泳いだ後は、サウナで芯までしっかり体を温めるという楽しみ方ができる。フィンランドのサウナ文化もまた、寒中水泳人気を後押ししているのかもしれない。

健康になりたい人、体づくりに励みたい人は、冬のフィンランドでぜひ寒中水泳にトライしてみてはどうだろう。
Makiko Sato*Discovery認定コントリビューター
雑誌編集者や広告のプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのプランナー、エディターとして活動中。