実は50年以上前に開発されていた!知っておきたいVRの歴史

近年注目を集めるVR、実は50年以上前に既に開発されていたと聞くと驚く人も多いのではないだろうか。

VRのコンセプトとしてはSF界に大きな影響を与えたスタンリイ・G・ワインボウムの小説『Pygmalion’s Spectacles(ピグマリオン劇場)』が有名だ。このなかに既に「VR(バーチャル・リアリティ)」という言葉が記述され、ホログラム映像が浮かび上がるゴーグル型のシステムが登場している。

この技術を初めて実現しようとしたのは、意外なことにIT系の技術者ではなく、映画撮影技師のモートン・ハイリグだった。彼は1962年に「センソラマ(Sensorama)という娯楽用の装置を開発し、それは 3次元映像、ステレオ音響、振動や匂い、風まで利用した豪華なものだったようで、その大きさも相当なものであったという。

これの小型化に取り組んだのが計算機科学者であるアイバン・サザランドであった。そして開発されたのがヘッドマウント型の「Thw Sword of Damocles(ダモクレスの剣)」だ。常に身に迫る一触即発の危険な状態をいう故事から名前を取ったと思われるこの機器は小型化されたとはいえ、その利用には天井からの吊り下げが必要であったという。

そして時が経ち1993年にはセガが民生用のヘッドセットを、その2年後には任天堂がバーチャルボーイを発売するに至った。ただし。この時期のVRは暗闇の中に小さな映像が映るだけのもので、視界を変えることもできなかった。本格的なVR機器としては2012年にオキュラス社が開発した「Oculus Rift」の登場を待たなければならなかった。

現在、VR市場は急速な成長を遂げており、2018年の270億ドルから2022年には2087億ドルにまで成長すると予測されている。私たちがSFだと思われていた世界はすぐそこまで来ているのかもしれない。