風邪の治療法は3千年以上前から変わっていない

あなたは風邪をひいたとき、まずどうするだろうか?

市販の風邪薬を飲む?病院に行って点滴をうってもらう?栄養満点の食事をとって暖かくして安静に寝ている?

これらは最終的に体の免疫力を高め、風邪のウイルスや細菌を体自身に根絶してもらうための方法だ。そして、こういった風邪の治し方は3000年以上前から変わっていないようだ。

 

風邪の歴史

風邪は、少なくとも鉄器時代にはあったという。最も古い記録だと、紀元前16世紀のエジプトまで遡る。

昔は、風邪は体の中に冷気が入り込むことによって起こると考えられていた地域もあり、治療には暖かい飲み物を使用していたのだという。古代ギリシャでは、風邪は頭に老廃物が溜まることによって起こると信じられていた。

3000年前の中国では、植物の「麻黄」を使ったお茶が鼻づまりの症状を治癒する薬として利用されていた。麻黄には、現在市販されている風邪薬の成分「プソイドエフェドリン」が含まれている。

皇帝ネロの時代のローマ帝国では、治療にチキンスープが用いられていた。現在の研究では、鶏肉には鼻づまりに効果があるアミノ酸のシステインが含まれていることがわかっている。

こういった科学的裏付けがあるものばかりでなく、中世のヨーロッパではくしゃみをすると魂が体を離れてしまうと信じられていた。風邪をひいた患者には口を塞ぐように指示をしていたのだ。現在のアメリカやヨーロッパなどの英語圏でくしゃみをすると、周りにいる人から「God bless you/ Bless you(神のご加護を)」と声をかけられるのはその風習の名残だ。

19世紀後半になるとウイルスが病気の原因になることが明らかにされていった。イギリス医学研究評議会によって1946年に設立された「Common Cold Unit」などの研究によってさまざまな風邪のウイルスが判明していった。

だが、原因が明らかになった現在でも、風邪の特効薬は存在しない。ウイルスを撃退するのはあくまでも私たちの体なのだ。

Credit: Creative Commons

風邪の予防には

ウイルスや細菌が起因する風邪の予防としては、体への侵入ルートを断つことが重要だ。最も効果的とされるの方法の一つが「手洗い」である。

ウイルスは感染者の咳やくしゃみによって飛散し、周囲の人の口や鼻に入ることで感染する。これらウイルスを大量に含む飛沫は空気より重く、地面へと落下するため、テーブルといった人の手が触れる場所へ付着しやすい。そういった場所に触れ、気づかないうちに口や鼻に手を当てた際に粘膜からウイルスが入ってしまうのだ。

手洗いは、誰でも今すぐ始めることができる効果的な予防法だ。風邪をひかずに健康に過ごしたいなら、常に手洗いを心がけよう。