小学生が情熱的な研究を披露!「かながわCATV情熱プロジェクト 自由研究大賞2018」で明かされたノーベル賞への近道とは?

本格的な冬の冷え込みが感じられた12月8日の土曜日。神奈川県横浜市旭区にある横浜市立よこはま動物園、通称“ズーラシア ”にて、ディスカバリーチャンネルとアニマルプラネットが共同主催する「かながわCATV情熱プロジェクト 自由研究大賞2018」の表彰式及び動物園特別プログラムが開催された。

Credit: C. Yamada
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自由研究大賞は、子どもの好奇心や探究心を科学の芽として育むことをサポートし、未来の科学技術を担う人材を育成することを目的に実施されている自由参加のコンクール。神奈川県内のケーブルテレビ会社が共同で実施する「かながわCATV情熱プロジェクト」の一環だ。

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2011年に始まり8度目の開催となった今年は、神奈川県内から1099点の応募があった。一般的に低学年の自由研究ほど親の影響を受ける作品が多い中、今回選ばれた受賞作品はいずれも学年を問わず子ども自身の発想の自由さや「好き!」という気持ちが伝わってくる力作ばかりだった。

 

ノーベル賞への近道

表彰式は湘南ケーブルネットワークのアナウンサー・井手麻実さんの朗らかな進行で行われ、まずは神奈川県ケーブルテレビ協議会会長の増田成寿氏が登壇して受賞者全員の努力をねぎらった。

そしていよいよ受賞者が次々とステージに上がって表彰状と副賞を受け取ると、会場はシャッター音と拍手の嵐に包まれた。

今年150倍以上の倍率からみごと受賞に輝いたのは以下7名だ(写真右手から順に)。

Credit: Discovery Communications
情熱プロジェクトグランプリ

(最優秀作品賞)

小林 香夏子さん 5年生 「海とプラスチック」
情熱プロジェクト準グランプリ

(優秀作品賞)

佐々木 里々香さん 6年生 「歴史を知ればもっと面白い!『韓流時代劇』」
JAXA 井上 紫さん 3年生 「健康長寿のヒントは地上にもある?!」
WWF 吉永 亜有さん 5年生 「どこにいる?!カラスめぐり島めぐり―沖なわ県竹富島、新城島、西表島、黒島のオサハシブトガラスの研究―」
学研賞 村瀬 楓乃さん 6年生 「ピアノの音の強弱のつけ方の研究」
ズーラシア賞 石毛 寛大くん 5年生 「カイコノケンキュウ!」
ディスカバリーチャンネル/アニマルプラネット賞 佐藤 迪洋くん 2年生 「ケガしたチューリップはそだつか」

各受賞作品の詳しい情報は「かながわCATV情熱プロジェクト」のウェブサイトでもご覧いただける。

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続いて審査員長を務めた慶応義塾幼稚舎の相場博明教諭が登壇。そもそも「科学」とは自然に存在する決まりを見つけ出すことで、「理科」とはその見つけ方を勉強することとの説明に参加者の多くが深く頷いていた。その上で、理科の真の目的はテストで高得点を修めることではなく、自由研究こそが「本物の理科」なのだとも力説した。

さらに、日本は2000年以降アメリカとイギリスに次いで世界で三番目に多くのノーベル賞受賞者を排出していることにも触れ、自由研究を続けていくことが将来ノーベル賞を取る近道になると激励した。

ひょっとしたら、今回の受賞者の中から未来のノーベル賞に輝く科学者が羽ばたくかもしれない。

ディスカバリーチャンネル/アニマルプラネット賞受賞者の佐藤迪洋くんご家族と記念写真に収まるディスカバリー・ジャパン代表取締役社長のデービット・マクドナルド氏 Credit: C. Yamada

 

受賞者の保護者が語る成功の秘訣

受賞者のひとり、佐藤迪洋(みちひろ)くんに研究の経緯を伺ったところ、継続した努力とあふれ出す好奇心を目の当たりにした。

佐藤くんがチューリップの研究を始めたきっかけは「ともだちがぼくのチューリップをおっちゃったから」。不慮の事故を逆にチャンスと捉え、一年生時の2018年1月19日から熱心な観察日記をつけ始めて92ページにも及ぶ大作に仕上げた。

ディスカバリーチャンネル/アニマルプラネット賞受賞作品「ケガしたチューリップはそだつか」 Credit: C. Yamada

佐藤くんが研究を通して一番伝えたかったのは「チューリップを捨てないで」という願いだそうだ。

…けんきゅうしててわかったけど、どんなしょくぶつでも一生けんめい生きてる。ケガしてもたおれてもがんばってる。じゅぎょうがおわったからって、すてろって言わないで。「しょくぶつはたいせつにそだてましょう」ってさいごまで言ってほしい。…

 

研究の最後に記されていた言葉が印象的だった。

佐藤くんは研究の途中で病に倒れ、入院生活を余儀なくされた。その間妹の知海(ともみ)さんの助けを借りて研究を続け、ケガしたチューリップとともにがんばったそうだ。

かながわCATV情熱プロジェクトのインタビューに答える佐藤迪洋(みちひろ)くんと妹の知海(ともみ)さん Credit: C. Yamada

お母様に子どもの興味の幅を広げる秘訣を伺ったところ、「とにかく子どもたちが言うことが面白くて、大人が考えないようなことを考えているから、面白いからやってみたら?っていうんです」と話してくださった。興味があるうちに話を聞いてあげて、励ましてあげるのがポイントのようだ。

さらに、「できるかぎり感覚を大切にしてあげたいので、拾ってきたものがあったら「これはどこから来たのか?」というのはなるべく自分で探らせて、本やインターネットで調べるのはそのあと、というふうにしたいなと思っています」とも。

自分なりの答えに到達したあとで、ひとりよがりにならないように本やインターネットで正しいかどうかを調べているそうだ。

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非公開のゾウ舎に潜入!お楽しみの特別プログラム

 表彰式後にはズーラシアさんの取り計らいにより、動物園特別プログラムが用意されていた。受賞者一行は通常は立ち入り禁止のゾウ舎に案内され、初めはやや緊張した面持ちに。

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間近で見るゾウの迫力に圧倒されながらも、餌やりを体験し、ゾウのフットケアや注射に馴れてもらう練習などを見学するうち次第に好奇心がむくむくと湧き上がってきた様子だった。後半は質問と笑顔が絶えず、子どもたちにとって有意義な体験となったようだ。

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ズーラシアではキリンとチーターなどが共存する「アフリカのサバンナ」ゾーンやインドゾウ2頭が暮らす「アジアの熱帯林」ゾーンなど、一年を通して世界中の動植物の様子を見ることができる。また、来年の4月に開園20周年を迎えるにあたって様々なイベントも企画されているそうだ。

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なお、本イベントの様子は2019年1月26日に神奈川県ケーブルテレビ全局で放送が予定されている。未来の科学者たちの勇姿をぜひご覧いただきたい。