太陽圏を飛び出したボイジャー2号の旅路

2018年11月5日、宇宙を30年以上旅してきた探査機「ボイジャー2号」が太陽圏を脱出したことが、NASAにより発表された。

ボイジャー2号はこれまで、太陽系惑星の観測において大きな貢献を果たしてきた。

ボイジャー2号のこれまでの軌跡と、今後の使命を追ってみよう。

 

先に打ち上げられた2号機

Image Credit: NASA

NASAが運用するボイジャー2号は、1977年8月20日に「タイタンIIIE」ロケットによって打ち上げられた。またその16日後に、「ボイジャー1号」が打ち上げられた。

ボイジャー計画は、NASAによる惑星探査計画「マリナー計画」を引き継いだものだ。マリナー計画では、惑星の重力を利用する「スイングバイ」により、火星や水星探査で大きな功績を残した。

ボイジャー2号は原子力電池を搭載し、木星や土星の観測を目標としていた(後に天王星、海王星も観測)。さらに、その内部には地球外生命体に向けたメッセージを記録した「ゴールデンレコード」と呼ばれる、レコード盤も搭載されている。

 

惑星・衛星観測を実施

Image Credit: NASA

ボイジャー2号は1979年に木星に接近。そして巨大な嵐の「大赤斑」が反時計回りに渦巻いていることを発見する。さらに、惑星「イオ」の火山活動も観測した。

Image Credit: NASA

そして、打ち上げ当初は予定されてなかった天王星や海王星の観測も実施。両惑星の「環」を観測したり、数多くの衛星を発見したりしている。

 

ボイジャー2号のこれから

Image Credit: NASA

太陽圏を脱出したボイジャー2号は、星間空間の調査へとミッションを移行している。これは太陽風が届く範囲の外の宇宙にて、観測を継続するというものだ。

すでに、ボイジャー2号は他の銀河系から届いたと思われる「ライマンα線」を観測している。これは、太陽圏の内側では観測の難しい波長の一つだ。

ボイジャー2号の発電量は低下しているものの、現在も稼働を続けている。太陽圏を飛び出したことで、今後もさらなる興味深いデータを私達にもたらしてくれることだろう。

塚本直樹

*Discovery認定コントリビューター

IT・宇宙・ドローンジャーナリスト/翻訳ライター。フリーランスとしてドイツを中心にヨーロッパにて活動しつつ、日本でのラジオ出演やテレビ、雑誌での解説も。 @tsukamoto_naoki