ハンバーガーといえば、バンズにレタスやトマト、タマネギなどの具材をはさみ、こんがり焼いたパテをのせる…といった一連の工程が必要だ。
このプロセスすべてで、人間の手を一切必要とせず、ハンバーガーをたった5分で作りあげるロボットが米サンフランシスコのレストランに登場した。できあがったハンバーガーの値段はわずか6ドルだ。
アメリカのグルメ界に革命的な登場を果した、このハンバーガーロボットのスゴ技を紹介しよう。
5分でハンバーガーが完成!ロボットの手順
まずは、ロボットによるハンバーガー完成までの手順を紹介しよう。
1 注文が入ると、ブリオッシュのバンズが空気圧によってチューブから押し出される。
2 ナイフが小刻みに動き、バンズを半分にカットする。

3 バンズがトースターで焼かれ、使用後は堆肥化できるパッケージの中に入れられる。

4 ベルトコンベアにのり、トッピングゾーンへ移動する。
5 トマト、タマネギが入った透明のチューブは下部に刃が設置されている。そこでトマトとタマネギがスライスされ、バンズの上にのせられる。

6 細切りになったレタスやチーズも次々とバンズの上にのせられる。

7 パテには、ホルモン剤不使用で放牧して育てられた牛の肉を使用。ロボットは肉をミンチ状にして4.5オンス(約128グラム)のパテに成形し、焼き上げてパンズの上にのせる。これでハンバーガーの完成だ。

ハンバーガーロボットのこだわりは3つ
ロボットについているセンサーは350個、ロボットの制御には20台のコンピューターが使用されている。開発者がこのロボットの開発にあたって、特にこだわったというのが、食材の鮮度と精度、テクニックの3点だ。
食材はあらかじめカットされているのではなく、注文が入ってから個々のハンバーガーごとにスライスされるし、ソースなどの調味料もオンスからミリリットル、グラムなどでも制御可能。さらに通常のハンバーガーレストランではあまりないが、ミンチに挽いたばかりの肉でパテを作るため、やわらかいパテが出来上がる。
このロボット2台で、1時間に最大120個のハンバーガーを作ることができるそうだ。当然、人が作るよりも多い。

ハンバーガーの味は?
さて、気になるのがロボットが作ったハンバーガーの味。完成したハンバーガーを食べた人の感想は…「新鮮にみえるし、香りもいいね。(一口食べて)旨い!人間が作るハンバーガーとひけをとらない味だね」。

「ロボット化が進み、キッチンでの運営にかかる費用を減らすことができれば、それだけ料理にかかる費用も抑えられる」と、このハンバーガーロボットのレストラン創設者は語る。
しかも、人件費を最小限にできれば、その分だけ、新鮮でサスティナブルな食材を使うなど、食材にもっとお金をかけることもできるのだ。

多くのハンバーガーレストランがロボット化する日も、そう遠くないかもしれない。
Makiko Sato*Discovery認定コントリビューター
雑誌編集者や広告のプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのプランナー、エディターとして活動中。