いないはずの人が写真に……心霊写真とカメラ技術の関係性

あなたは心霊写真を撮影してしまったことはあるだろうか?

心霊写真を超自然現象だという人もいれば、カメラの構造が生み出してしまった偶然だという人もいるし、故意に作られたトリック撮影だという人もいる。

カメラがフィルムからデジタルに移行してから、不思議と報告は少なくなってきている心霊写真。この幽霊のようなものが写真に写るという現象は、いつ始まり、どうやって広がっていったのだろうか。

世界最初の写真は、1824年にフランスの発明家であったジョセフ・ニセフォール・エニプスが発明した「ヘリオグラフィ」である。ピンホールカメラの原理を用いたカメラ・オブスクラが射影する像を板に定着させたものだった。

1850年代になると、多くのカメラマンがカメラの特性を利用した特殊効果を研究するようになっていった。そういった中で、一部のカメラマン達が二重露光などの効果が悪用できる可能性にも気づいていった。

1860年代、ウィリアム・H・マムラーというボストンのアマチュアカメラマンが、12歳で亡くなった自分のいとこの幽霊が写った写真を発表した。これが世界初の心霊写真とされている。

マムラーは後にプロの心霊写真家として活動を始める。彼の最も有名な心霊写真が、1869年に撮影されたメアリー・トッド・リンカーンの傍にいるエイブラハム・リンカーンの幽霊を捉えた心霊写真である。

同じように幽霊が写った写真を撮影し続けたマムラーだが、心霊写真の中にまだ生きている人物が写っていたことから詐欺ではないかと疑われた。マムラーは詐欺の罪に問われた際、サーカスの興行師であったフィニアス・テイラー・バーナムらによってガラスを使った二重露光技術を使えば簡単に心霊写真が作成できることを証明されてしまった。そうして、世界初の心霊写真家のキャリアは幕を閉じたのだった。

1936年、英・ノーフォークで撮影された心霊写真 Credit: The Haunted Palace

その後も、幾度となく有名な心霊写真が登場したが、どれもカメラの構造が作用した可能性が高いものばかりだった。

2000年代になり、カメラがデジタルに移行した後は、「スレンダーマン」をはじめとしたインターネット掲示板起源の心霊写真がいくつも登場している。(スレンダーマンに関しては、掲示板内で呼びかけられたPhotoshopを使った心霊写真大会が始まりだった)

デジタル化によって簡単に心霊写真が作れてしまうようになったことでその希少性は失われ、人々の関心を引くことができなくなっていったようだ。だからと言ってすべての心霊写真が否定されたわけではない。科学が解明できていない自然現象もまだまだあるのだから。

あなたがスマートフォンで撮った写真の中にも、どうやっても説明がつかない「何か」が写り込んでいるかもしれない。