航空機エンジンの進化 〜レシプロから最新ジェットまで〜

旅行や出張の際に、私達を目的地へとあっという間に運んでくれる航空機。その機体には、巨大なエンジンが装着されている。

航空機のエンジンは、100年以上の進化を積み重ねてきた。

航空機のまさに原動力となるエンジンのテクノロジーについて、迫ってみよう。

 

20世紀初頭から始まった航空機開発

 

Image Credit: ウィキメディア・コモンズ

世界で初めて飛行機の有人動力飛行に成功したのは、アメリカのライト兄弟とも、あるいは同国のグスターブ・ホワイトヘッド氏だともいわれている。

ライト兄弟は1903年、米ノースカロライナ州にて「ライトフライヤー号」の飛行実験を成功させた。同機には、独自に開発された12馬力のガソリンエンジンが搭載されていた。

このガソリンエンジンは4サイクル・4気筒の水冷仕様で、シリンダー内をピストンが上下し動力を生み出すという、自動車用エンジンに似たものだった。このような種類のエンジンは「レシプロエンジン」と呼ばれる。

 

ジェットエンジンの登場

 

Image Credit: ウィキメディア・コモンズ

そんな航空機エンジンの大きな転機は、1940年台に登場した「ジェットエンジン」の登場により到来した。

ジェットエンジンは外部から空気を取り入れ、燃料の燃焼によりジェット噴流を生成。そして前方への推進力を生み出すエンジンだ。

また、ガスタービンにて生成した動力を回転力として用い、プロペラを駆動させる「ターボプロップエンジン」を搭載したターボプロップ機は、いまでも短距離航路などで活躍している。

 

高効率を目指したターボファン・エンジン

 

Image Credit: ロールス・ロイス

現在、多くの旅客機で採用されているのは「ターボファン・エンジン」だ。これはジェットエンジンの1種で、大型のファンがエンジン前方に取り付けられている。

ターボファンエンジンでは圧縮した空気と燃料を燃焼させた排気だけでなく、ファンを回した際に発生する空気の推進力も利用する。これにより、推進効率を高めているのだ。

最新旅客機「ボーイング787ドリームライナー」には、英ロールス・ロイスの「トレント1000」やゼネラル・エレクトリックの「GEnx」という、高効率かつ低騒音な巨大エンジンが搭載されている。なおあまり考えたくはないが、ジェットエンジンでは動作中のエンジンに近寄った整備士が内部に吸い込まれるという事故も、いくつか報告されている。

塚本直樹

*Discovery認定コントリビューター

IT・宇宙・ドローンジャーナリスト/翻訳ライター。フリーランスとしてドイツを中心にヨーロッパにて活動しつつ、日本でのラジオ出演やテレビ、雑誌での解説も。 @tsukamoto_naoki