年の瀬を控え、大掃除の準備を始めている人も多いのでは?
窓みがき・床みがき・浴槽クリーナー・洗濯槽クリーナー…などなど、用途を分けて洗剤を用意するのはそれだけで手間がかかるし、お金もかかる。
そこでThe New York Timesからの提案は、自宅にあるモノを活用すること。しかもベーキングパウダー、レモンや酢など、比較的よく知られているクリーナーの類ではないのだ。

ケチャップ
ケチャップでも、タバスコでも、野菜ジュースでも。トマトを豊富に含んだこれらの製品は酸性が高いため、銅や真ちゅうを磨くのに最適なのだそうだ。
タバスコなど流れやすいものは布巾に吸わせて、またケチャップならば比較的粘り気があるのでそのままつけて使える。磨きたい鍋や真ちゅうの手すりなどに5分以上密着させてからふき取り、最後にせっけんと水で洗い流せば完了だ。ケチャップは鋳鉄製の鍋のさび取りとしても使えるそう。

コーラ
リン酸を含むコーラ系飲料は排管の詰まりを取り除くのに効果的。なんとトイレ掃除にも使えるらしい。予期せぬ来客の日に限ってトイレクリーナーを切らしてて……なんてピンチな時には、コーラを直接便器に流し込んで一時間放置。その後そのままトイレを流せばキレイになるそうだ。
さらにクルマ好きの人は必見。フロントガラスが汚れた時はコーラをそのまま流しかけるとピカピカになり、おまけにワイパーの切れ味までよくなるのだとか。
油汚れがひどい服や雑巾は、通常の洗濯洗剤にコーラを一缶加えると油のしみがキレイに落ちるという。

ワイン
ふつう、赤ワイン自体が汚れを作ってしまう原因。染みた布が白ければ白いほど、なかなか落ちない美食家泣かせなのだが…。
驚きの対処法は白ワインだ。白、または薄い色の布や雑巾に少量の白ワインを浸みこませて赤ワインのしみの上からポンポンと叩きながら抑えると、不思議としみが消えていくらしい。一回で消えない場合は白ワインを足していきながら何度か繰り返すと効果的だそうだ。

ウォッカ
消臭作用に優れるウォッカは、スプレーボトルに入れ替えて晴れ着や一張羅に吹きかけると蒸発しながら匂いを取り除いてくれる。プロスケーターや服飾デザイナーがよく使う方法だそうで、ドライクリーニングの手間とコストを省いてくれるのはありがたい限りだ。
シュッと吹きかけたりスポンジに含ませて拭いたりすれば、古い戸棚のカビ臭も一掃できるそうだ。ガラス磨きとしても使えるほか、コンロにこびりついた油汚れもスッキリ落としてくれる優れものらしい。

コーヒー
もうひとつ消臭作用に優れているのがコーヒー。以前こちらでコーヒーかすの堆肥としての活用法をご紹介したが、今回はコーヒーを淹れる前の粉の活用法だ。
カビ臭い押し入れや靴入れなどには、コーヒーの粉をカップなどに入れて隅に置き、最低でも一週間は放置する。その間なるべく扉を閉めたままの状態をキープしておくといいので、例えば旅行に出かけるついでに仕込んでおいてもいいかもしれない。時間とともにカビ臭がコーヒーに吸収され、イヤな匂いがなくなるそうだ。

バター、もしくはマヨネーズ
どこの冷蔵庫にも常備してあるであろうマヨネーズ、もしくはバター。なんとこれらにも活用法が幾多にもあるらしい。
まずは木製のテーブルやカウンターなどについてしまったコップの跡。やわらかくしたバター、またはマヨネーズと灰(タバコの吸い殻でもOK)を混ぜ、布に少量をとって円く手を動かしながらこするとコップの跡がキレイに取れるそうだ。
また、バターとマヨネーズのどちらものりやガムなどのベタついた汚れを取り除くのに最適だそう。車についてしまった松脂もキレイに取り除くそうだ。ガムを踏んでしまった靴底にも応用できるほか、絵具をブラシから落とすのにも効果的だそうだ。
いずれも口にする食品ばかりなので安全面も問題なし。今年の師走、気軽に試してみてはいかが?
山田 ちとら
*Discovery認定コントリビューター
日英バイリンガルライター。主に自然科学系の記事を執筆するかたわら、幅広いテーマの取材やインタビューにも挑戦中。根っからの植物好き。お掃除はずぼら…。 https://chitrayamada.com/