UFO研究者の心をざわつかせる絵画の未確認飛行物体

古代の遺物には、現代のわれわれの知識では説明不明のために、宇宙との関係性がささやかれるものも多い。ナスカの地上絵やストーンヘンジをはじめとする謎は、現代人をわくわくさせてくれる。

著名な美術作品の中にも、「これはもしかしてUFO?」と思わせる不思議な物体が描かれている。

UFO研究者たちを興奮させた美術作品の一部を見てみよう。

 

宙に浮く円盤から聖母マリアへと届く光

Credit : Wikimedia Commons

UFO研究者の間で有名な作品は、カルロ・クリヴェッリの『受胎告知』であろう。新約聖書のルカによる福音書第1章35節には、こうある。

 

「聖霊があなたに臨み、いと高き者の力があなたをおおうでしょう。それゆえに、生れ出る子は聖なるものであり、神の子と、となえられるでしょう」

 

このシーンがそのまま絵画に描かれるのは珍しくないのだが、空に浮いた円盤の形状、聖母マリアを貫く円盤からの光の様子は、UFO研究者の間で「これぞUFO」として知られているのである。

 

一機だけじゃない、円盤の大群!

Credit : Wikimedia Commons

UFOの研究が盛り上がった1970年代、UFO研究者の間で話題になったのが、マゾリーノ・パニカーレが1425年頃に描いた『サンタ・マリア・マジョーレ寺院の建立』である。

この作品が話題になった理由は2つ。

1つは、非現実的な雲の形と位置である。UFO研究者たちは、空に浮かぶ雲が地球を攻撃するUFOの一群だとわくわくしたようだ。絵画の他の場面がリアリスティックに描かれているにもかかわらず、雲の表現だけが突出して非現実的であるのはまちがいない。

2つ目は、この絵が描かれた由来にある。テーマは、ローマにあるサンタ・マリア・マジョーレ寺院の建立だが、副題として『雪の奇跡』とある。言い伝えによると、西暦352年8月5日、灼熱のローマに雪が降り聖堂の形状を示唆したのだという。人知の及ぶところではない現象だからこそ「奇跡」と呼ばれるのであるが、これが宇宙からの侵略行為のひとつと解釈する研究者もいるのである。

ちなみにこの絵画は、映画『インディペンデンス・デイ』のポスターにインスピレーションを与えたのではという説もあり。

 

聖霊としてとらえるには物質的すぎる?

Credit : WIkimedia Commons

18世紀、光と影の表現が濃厚になった時代には、UFOが主役かと思わせるリアルな作品が登場する。

フランドルの画家アールト・デ・ヘルデルが描いた『キリストの洗礼』。イエス・キリストが洗礼者ヨハネから洗礼を受けるシーンの頭上には、円盤が光を放っている。聖霊を表現したにしてはあまりに物質的で、げんこつでコンコンとたたけそうな円盤が印象的である。

そのほかにも、バイエルン国立美術館に保管されている『夏の勝利』と題されたタペストリーや、フィレンツェのヴェッキオ宮殿が所蔵している『聖ヨハネと聖母子像』、ケンブリッジのフィッツウィリアム美術館にある『キリストの降誕』コソボのデチャニ修道院に残されたフレスコ画にも、UFOに見える不思議な物体が描かれているのである。

 

心理学者ユングが著したUFOの現象

Credit : ccphotosearch

1958年に、心理学者カール・グスタフ・ユングが著した『空飛ぶ円盤』という著作がある。この中でユングは、1561年にドイツのニュルンベルクで記録された天文現象と、1566年にバーゼル上空で観察された現象について触れている。

天文学の専門家よれば、こうした現象は「幻日」や「皆既月食」として説明可能だという。しかし、ユングの著作がさまざまな解釈によって喧伝され、UFO研究者を刺激し続けているともいわれている。

 

 

Sachiko Izawa

*Discovery認定コントリビューター

イタリア在住ライター。執筆分野は、アート、歴史、食文化、サイエンスなどなど。装丁が気に入った本は、とりあえず手に入れないと気持ちが落ち着かない書籍マニア。最近のひとめぼれは、『ルーカ・パチョーリの算数ゲーム』。@cucciola1007