新たな地球型惑星の発見…氷河に包まれた惑星の謎!?

宇宙で最も太陽に近い恒星の一つとされるバーナード星をご存知だろうか?

今回スペインのグループにより、バーナード星の周りを公転している地球型惑星が存在することが示唆された。

バーナード星の特徴

バーナード星は1916年に米国の天文学者E. E. バーナード氏によって発見された。太陽系まで6光年と、ケンタウルス座のα星の約4.3光年に次いで太陽系に2番目に近い恒星である。さらに、バーナード星の移動速度は既知の星の中で最も大きく、徐々に太陽系に近づいていると言われている。

またバーナード星は恒星ではあるが、表面温度は約3000℃と、太陽の表面温度約6000℃と比べ半分以下しかない。また、直径も太陽の約30%、質量も約16%しかなく、明るさも0.3%と、太陽と比較すると小さく暗い星である。

バーナード星を周る惑星の地表イメージ(C) ESO/M. Kornmesser

バーナード星の惑星を巡る物語

実は、今から約50年前に1960年代に米国の天文学者ピート・ファンデカンプ氏によって木星型惑星(ガス惑星)がバーナード星に存在すると発表されていた。しかしながら、その後研究では惑星は見つからず、現在ではその惑星は測定誤差による誤りであったと言われている。

今回、スペインのグループは光のドップラー効果を利用した探索機等を用いて得られた20年にも及ぶ膨大なデーターを元に改めてバーナード星に惑星が存在する可能性を示した。

今回発見された惑星候補は、木星型惑星(ガス惑星)ではなく、スーパーアース(巨大地球型惑星)という、地球より大きな質量を持つが、太陽系の巨大氷惑星である海王星や天王星ほどの質量ではない惑星であり、質量は最小でも地球の3.2倍という。

またこの惑星は、スノー・ライン付近を軌道としている。スノーラインとは惑星系の中で水が揮発する場所と水が氷になる場所の境界線であり、この領域は、惑星の形成に適していると考えられている。

バーナード星と今回存在が提唱された惑星の周期は233日、その距離は6000万kmと太陽と地球間の約0.4倍であり、太陽と水星の距離に近い。しかしながら、バーナード星は太陽よりも表面温度も低いことから、この惑星の表面温度は約-170℃と凍結した氷の世界であると言われている。

Credit:Creative Commons

この惑星に地球外生命体は存在するのか?

表面の温度、環境から通常の生物が存在するのは難しいとされている。

しかしながら、今回の惑星は太陽系に近いバーナード星に存在し、周回時間が比較的長いことから研究対象として理想的であり、太陽系外の惑星に関する新たな知見をもたらす可能性を秘めている。

NASAの「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」等新たな高性能望遠鏡の開発が促進されている今日、これらを用いた探索を続けることで生命の有無を示唆する新たな発見があるかもしれない。

Credit:Creative Commons

 

 

池田あやか

*Discovery認定コントリビューター

大学では薬学を専攻。科学の面白さを伝えようと、見て楽しい・触って楽しい科学イベントやサイエンスライターをしている。最近のお気に入りはモルフォ蝶の羽の構造色を利用したピアス。