NY・シカゴ間の「ピザ論争」、ピザ博物館がシカゴに誕生でどうなる?

アメリカ人はピザが大好物だ。だが、そこで必ず勃発するのが、生地が薄いNYピザ派か、分厚いシカゴピザのどっちが好みか?ということ。そんな長年の論争に軍配が上がったかと思われたニュースが、アメリカ・ピザ博物館の誕生だった。

果たして、アメリカのピザの栄冠は、NYとシカゴのどちらが手にしたのか?

 

NYとシカゴで加熱するピザ論争

ピザはイタリア料理だが、アメリカ人の間では普段の食事にもパーティの席にも欠かせない人気メニューだ。だから、長いことNYピザとシカゴピザで、どちらが素晴らしいピザかが論じられてきた。

2017年にはNY市長の報道官が、シカゴを訪れた際に食べたピザを「全米一のピザ」とツイッターに投稿したところ、「あなたの仕事はNY市を宣伝することだ。シカゴの宣伝じゃない」、「シカゴピザはキッシュみたいなもんだ」、「お願いだから、NYの機関で働かないでくれ」などと、NY市民から非難の声が殺到した。

それぞれの市民が、それぞれの街のスタイルのピザがナンバーワンだと主張しているわけだ。

シカゴスタイルのピザ

 

ピザ博物館がシカゴに誕生

加熱するピザ論争に終止符が打たれるかもしれないニュースが報じられた。それが、アメリカ・ピザ博物館の誕生だ。2018年8月、アメリカで初となるピザ博物館が誕生したのだが、建設されたのはシカゴだった。

すると、この場所をめぐっても様々な意見がSNS上で飛び交うこととなった。「アメリカで最初にできたピザ屋はNYだった。だから博物館はNYにあるべき」、「シカゴはピザが死んだ場所。NYではまだピザは生きているんだ!」など…。

ついには、LAのコラムニストが「オースティンにはジャンバラヤ博物館がある。ナパにはビール財団がある…」と、ピザ博物館はシカゴでもNYでも、どこにあろうとも、似たようなものだとツイートに参戦する始末となった。

Credit:U.S. Pizza Museum via Facebook

博物館のウェブサイトでは、「世界のピザの発展や歴史について知り、インスピレーションを得ることがミッション」とだけ紹介されており、ピザ関連の展示のほか、ピザをモチーフにしたグッズの販売などが行われている。そして、ピザ博物館の創設者はシカゴ在住の人物だが、NYにも度々訪れてNYのピザも食べているそうだ。

 

市長報道官によるツイートや博物館誕生のニュースがきっかけで、そのたびに勃発するNY・シカゴ間のピザ論争。両市民のそれぞれが熱い思いを胸に抱えており、この論争は永遠に収束することはないのかもしれない。

ちなみに、ピザの本場イタリア人の間でも、アメリカナイズされたピザを好む人とそうでない人に意見が分かれてしまうようだ。

 

Makiko Sato*Discovery認定コントリビューター

雑誌編集者や広告のプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのプランナー、エディターとして活動中。