役目を終えたNASA探査機「ドーン」の成果とは

2018年11月1日(現地時間)、NASAは小惑星・準惑星探査機「ドーン(Dawn)」の運用を終了したと発表した。

ドーンはこれまで、小惑星帯の探査で目覚ましい功績を残してきた。

10年以上宇宙を旅してきたドーンは、遠い宇宙でなにを発見したのだろう。

 

イオンエンジンで旅する探査機

 

英語で「夜明け」の意味となるドーンは、ソーラーパネルをのぞいた本体寸法が2m以下の探査機だ。打上げは2007年に「デルタII」ロケットで実施された。

探査機の移動には、プラズマ化したイオンを噴射する「イオンエンジン」が利用される。これは日本の小惑星探査機「はやぶさ」「はやぶさ2」でも採用された推進方式で、少ない燃料での長期間動作が特徴だ。

そしてドーンは、火星と木星の中間にある小惑星帯に位置する小惑星「ベスタ」や準惑星「ケレス」の探査に向かったのである。

 

太陽系の成り立ちを解明へ

 

Image Credit: NASA

ドーンがベスタやケレスへと向かった目的は、太陽系の成り立ちを解明することにある。この小惑星帯の天体は、太陽系初期に誕生したままの姿で残っていることが期待されているのだ。

ベスタは小惑星帯では2番目に重く大きな小惑星で、直径は約530km。その表面には多数のクレーターが存在し、ゴツゴツと凹んだ地形が見て取れる。

ドーンは2011年7月にベスタの周回軌道に到着し、約1年の観測を実施。そのなかで、揮発性物質の分布や水を含む鉱物を発見している。

 

ケレスの光るスポットを観測

 

Image Credit: NASA

ドーンの活躍のハイライトとなったのは、ケレスでの観測だ。実はケレスには、以前から明るい部位が存在することが知られていたのだ。

2015年から始まったドーンの観測により、ケレスのクレーター内に「光るスポット」が存在することが確認された。この光っている物質はまだ特定できていないが、なんらかの塩(化合物)の存在が推測されている。

さらに、ドーンはケレスにて有機化合物や水の氷も発見している。また、同準惑星では熱水の噴出が存在することなどから、地球外生命体の存在の可能性も浮上している。

ドーンはそのミッションを終えたが、NASAはすでに次期小惑星探査ミッション「プシケ/ルーシー」を計画している。太陽系がどのようにして成り立ったかの探求は、これからも続くのだ。

塚本直樹

*Discovery認定コントリビューター

IT・宇宙・ドローンジャーナリスト/翻訳ライター。フリーランスとしてドイツを中心にヨーロッパにて活動しつつ、日本でのラジオ出演やテレビ、雑誌での解説も。 @tsukamoto_naoki