赤ちゃんとチンパンジーは同じ笑い方?…そして成長と共に変わる不思議 

霊長類の中で、ヒトだけ異なる笑い方をしていることを知っているだろうか。しかし、生後数ヶ月のような幼い乳児については、チンパンジーなどの他の霊長類と同じような笑い方をするのだ。

ではなぜ、乳児はチンパンジーと同じ笑い方をするのか。2018年11月5~9日にカナダで開催されたアメリカ音響学会にて、オランダの研究チームが興味深い研究結果を発表した。

 

幼い乳児の笑い方はチンパンジーと一緒

オランダ、アムステルダム大学の心理学者たちでなる研究チームは、生後3~8ヶ月の乳児44人の笑い声を収録。それを、心理学を専攻する102人の学生が聴き、吸う息と吐く息の割合を分析した。

その結果、月齢が若い乳児は、息を吸ったり吐いたりしながら笑っていることがわかった。一方、乳児の中でも月齢が進んだ子や大人は、息を吐きながらしか笑わない。息を吸ったり吐いたりしながら笑う、幼い乳児の笑い方は、ヒトではなく、チンパンジーのような霊長類と似ているのだ。

乳児の笑い方の変化は、あるときを境に急に変わるわけではなく、序々に変化していくものと、この研究チームは推測している。今回の実験では、専門家ではない人物が聞いて分析を行ったが、現在音声学者によってこの結果について確認が行われているそうだ。

Credit:Creative Commons

 

成長の過程で発声が変わる可能性

霊長類の動物の中で、息を吐きながら笑うのはヒトだけ。この実験を行った心理学者は、その理由のひとつとして、「ヒトの赤ちゃんは話すことを覚えながら、発声をコントロールするスキルも発達していくため、その結果なのではないか」と考えている。

ヒトが笑う理由は、年齢とともに変化していくものだ。例えば幼い乳児であれば、くすぐられたときなど、身体を使った遊びを通して笑いが起こる。しかし大人になると、それに加えて、人間同士の会話でも笑いが生まれる。研究チームでは、そんな笑いの原因と笑い方の関連性の有無について、現在調査を行っているそうだ。

 

幼い子どもと接することがあったら、どんな笑い方をしているか、よく注目してみてはどうだろう。その子の発声や感情表現がどのくらい成長しているか、ひとつの目安として参考にできるかもしれない。

 

Makiko Sato*Discovery認定コントリビューター

雑誌編集者や広告のプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのプランナー、エディターとして活動中。