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「テクノ法要」だけじゃない…世界のユニークな弔いのしかた

僧侶がお経を唱えて死者の魂を弔う法要。仏教が日本に伝わってから2,500年の間、そのスタイルはミニマルでストイックな方向に確立されてきた。宗派によってお経や仏具に違いはあるものの、すべてに共通しているのはかしこまった雰囲気と重厚感だ。

そんな重圧を一気に吹きとばす「テクノ法要」が今ネットでも話題になっている。

福井市東郷二ケ町にある照恩寺の17代目住職、朝倉行宣氏が2016年に始めた「テクノ法要」は、法要とクラブイベントをかけ合わせたような斬新すぎる試みだ。

テクノ音楽の軽快なビートに合わせて、プロジェクションマッピングを用いた極彩色の光が仏像を包みこみ、躍動し、天に昇る。

日本人のお寺離れが深刻化している中、人の心に響く法要のあり方を模索した答えがテクノ音楽だったという。なんでもハフポスト日本版によればインスピレーションはPERFUMEのライブコンサートだったとか。

国内外から「美しい」、「新しい法要の可能性を感じる」、「本当に天国に逝けそう」など、深い感銘を受けた人の声が上がっているようだ。

 

仏教発祥の地、インドでは?

同じ仏教でも日本の法要とは打って変わった華やかさを放つのはチベット密教だ。

あざやかな衣装を身にまとった僧侶たちが舞い、派手な鳴り物が響く。この世にいながらもすでにあの世の景色を見ているよう…。

仏教発祥の地・インドではいまやヒンズー教徒が大半を占めるが、ヒンズー式の法要もこれまたにぎやかだ。

こちらは南インドのタミル・ナードゥ州。死者の遺体を火葬場に運ぶ最中なのだが、打楽器のリズムに乗って踊る村人たちの顔は朗らかでなんだか喜んでいるようにさえ感じられる。

別れは惜しいこそあれ、輪廻転生を信じているから「また会う日まで」と思えるのかもしれない。または解脱を喜んでいるのかもしれない。

 

キリスト教圏でも

所変わってアメリカのニューオーリンズでも驚くほどインドとよく似た様式の葬式パレードが行われる。

大切な人の死を悲しむのではなく、その人と共に生きた時間を肯定して喜び合う――そんなプラス思考の精神が込められているそうだ。ジャズ発祥の地だけあって、演奏のクオリティーも本格的である。

死んでしまったら、残された家族や友人が悲しみに暮れる姿を見たいだろうか、それとも自分のいなくなった世界でも楽しくやっている姿を見て安心したいだろうか?

いっぺん死んでみないとわからないことだが、法要にさまざまなスタイルがあるのと同じように答えもきっとひとつではない。

 

山田 ちとら

*Discovery認定コントリビューター

日英バイリンガルライター。主に自然科学系の記事を執筆するかたわら、幅広いテーマの取材やインタビューにも挑戦中。根っからの植物好き。父の生家がお寺だったため、お線香の香りに安堵を覚える。 https://chitrayamada.com/

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