ANAの機体工場見学ツアーは驚きの連続!現役機長が語る仕事の裏話も

東京・羽田にあるANA(全日本空輸)のコンポーネントメンテナンスビルにて、10月27日、ディスカバリー・ジャパンが主催するイベント「Airport Tour 2018 ANA機体工場見学in 羽田」が開催された。

本イベントは、機体工場の見学だけでなく、ANAで働いている機長の話を直接聞けるという貴重な機会でもある。スペシャルな工場見学イベントということもあり、J:COM加入者向けに行った小学生とその保護者を対象とした40組80名の募集に対し、なんと約18000人の応募が集まった。今回参加している親子は200倍以上の倍率から選ばれたことになり、かなりの幸運の持ち主と言えそうだ。

 

機長の貴重なお話

ボーイング777のパイロットを務める西山裕一機長が登壇し、自身の仕事について子供達に説明した。大学は政治学専攻だったという西山機長は、ANA入社後に日本とアメリカでパイロットとしての訓練を積み、エアバスA320の副操縦士となった。6年間エアバスA320の副操縦士を、そして4年間ボーイング777の副操縦士を務めた。現在はボーイング777の機長となって4年目だそうだ。

西山機長が語る体験談や仕事の裏話には、大人も子供も興味深そうに耳を傾けていた。例えば、担当する欧米路線のフライトは1ヶ月の間に2〜3回あること、日本を出発して戻るまでは2泊4日のスケジュールになること、ニューヨーク便だとお客様を乗せて到着するまでに14〜15時間程の勤務になるが、飛行機の中では、3人のパイロットが交代で休むことができるなど、貴重な体験談を多く聴くことができた。

だが、仕事は楽しいことばかりではないと西山機長は述べる。パイロットは年間2、3回の試験があり、それに合格しなければ飛行機を操縦できなくなってしまうこと、その試験のために常に勉強をしなければならず、非常に大変であると説明した。20代でパイロットになったなら、65歳でパイロットを引退するまで試験を受け続けなければならないからだ。

もちろん楽しいこともたくさんあり、その中でもフライト中の操縦席から素晴らしい景色を見られることが仕事をしていて最高の瞬間だと語る。ちなみに西山機長がもっとも好きな景色は、ロンドンの街を上空から見る風景なのだとか。

毎日違うところへ行くこともパイロットの仕事の醍醐味で、このイベントのすぐ後に沖縄行きのフライトが控えていることも教えてくれた。沖縄便は到着して1時間後には羽田に向けて出発するとのこと。

参加者から、西山機長が一番怖かったと思う出来事は何だったかという質問がでた。西山機長は怖かったという経験は一度もないが、一番驚いたことは、操縦していた飛行機の先端に雷が当たったことだと語った。飛行機の構造的に雷が当たっても問題はないのだが、一瞬目の前が光って、ボンと音がし、コクピットの中でも温かい空気を感じたそうだ。

また、ANAには女性のパイロットも20人ほどいるという。ぜひ女性でもパイロットになることを目指してみて欲しいと西山機長は会場の女の子にも呼びかけた。

会場には実際に飛行機の整備に使用されている工具が置かれており、自由に触ることができた。

 

機体工場見学

西山機長の話の後は、お待ちかねの機体工場見学。飛行機の大きさもさることながら、工場自体のスケールに圧倒される参加者たち。そんな光景には、子供たちだけでなく保護者も目を輝かせていた。

45分間、ANA機体工場見学担当者のアテンドで機体工場をくまなく見て回った。真正面や真後ろからなど、普段は見ることができない角度からも機体を見ることができた。

丁度、ANA Cargoの貨物専用機が機体工場に入っており、ボーイング767をどのように貨物用に改良しているのかも説明された。お客様を乗せている旅客機も、普段から郵便物などの輸送を行っているのだそうだ。

思い思いに写真を撮る小学生たち
機体工場で翼を休めるボーイング787
間近で見る機会はなかなか無い飛行機の巨大なエンジン
機体工場の外は羽田空港の滑走路へとつながっている
広い機体工場を移動するための自転車も用意されている。全て3輪になっており、荷物や工具も運搬できるのだとか

機体工場見学が終わると、興奮冷めやらぬまま参加者たちは帰路へとついた。もしかしたら今回の見学ツアーによって、参加した小学生たちの中からパイロットを志す子供が出てくるかもしれない。