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今の技術で本物の「ジュラシック・パーク」を作ることは可能…ただし大昔の恐竜の再生は不可能

サイエンスフィクション映画として金字塔の一つとなったスティーブン・スピルバーグ監督の『ジュラシック・パーク(1993年)』。琥珀に閉じ込められた蚊の化石からDNAを抽出して恐竜を復活させるという物語は、実際に可能なのではないかと多くの人の想像力をかき立てたことだろう。

実際に、化石などからDNAを抽出してクローンを作ることは可能なのだろうか。

琥珀に閉じ込められた9900万年前カエル Credit: Lida Xing/China University of Geosciences

実は、6600万年以上前の化石からDNAを採取することは、どんなに保存状態が良い状態のものであっても不可能だということが研究でわかっている。DNAは、細胞が酵素を失うとその統合を保持できなくなり崩壊を始め、521年でその情報の半分が失われてしまうからだ。

低温下であればその崩壊の速度は遅くなるものの、氷漬けであったり琥珀に閉じ込められるなどどんなに保存状態が良くとも、150万年経過するとDNA配列が判読不能となり、680万年後には全てが失われるのだそうだ。6600万年前に絶滅した恐竜のDNAが現在まで保存されている可能性は限りなくゼロということになる。

では恐竜を復活させることは不可能なのだろうか。

『ジュラシック・パーク』に登場する博士のモデルで、映画シリーズのアドバイザーも務めたモンタナ州立大学のジョン・R・ホーナーは、すべての鳥には恐竜のDNAのヒントが多く隠されていると話す。この鳥のDNAは、最寄りのケンタッキーフライドチキンで提供されているチキンからでも採取は可能だ。

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そして鳥などの動物のDNAを組み合わせることで、限りなく大昔の恐竜に近い動物を創り出せるとしている。すでに、クラゲの遺伝子と掛け合わせた発光する魚など、遺伝子操作を受けた動物は多く存在している。だが、この方法には技術的な問題だけでなく、倫理的な問題など多くの課題もある。実現には早くても10年はかかるだろうとホーナーは話す(2015年談)。

大昔の恐竜を再生することは不可能でも、遺伝子操作で限りなく恐竜に近い動物による「ジュラシック・パーク」は実現可能であるということだ。遠くない未来、あなたはティラノサウルスやヴェロキラプトル(に限りなく近い動物)と触れ合う機会が訪れるかもしれない。

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