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太陽系の謎を解き明かせ!水星探査計画「ベピコロンボ」旅立つ

2018年10月19日(現地時間)、日欧合同での水星探査計画「ベピ・コロンボ(BepiColombo)」が「アリアン5」ロケットによって打上げられた。

これまで、探査機が水星に到達したケースはわずかしかない。

ベピコロンボを構成する日欧の探査機は、水星のどのような謎を解き明かそうとしているのだろうか。

 

意外と遠い水星

Image Credit: NASA

太陽系の中でも、最も内側を周回する水星。太陽からの距離は約5800万km、地球からの距離は最小で約9200万kmかつ最大で約2億1000万km。これは火星よりも少し遠い程度だ。

しかしその軌道投入の難しさ、そして太陽からの猛烈な熱放射により、これまで1970年代の「マリナー10号」と2004年に打上げられた「メッセンジャー」の2回の探査計画しか実施されていない。

一方で、水星は岩石から成り立った「地球型惑星」に分類されている。またその地場や磁気圏、内部や表層を観測することにより、地球との差異から惑星磁気の謎を解明し、さらには太陽系惑星の形成に関するヒントが得られるかもしれないのだ。

 

水星磁気圏を探査する日本の「みお」

Image Credit: JAXA

ベピコロンボは2つの探査機によるミッションだ。まず、日本側(JAXA)の探査機は「みお(MMO:Mercury Magnetospheric Orbiter)」と名付けられている。

みおは水星周回軌道に投入され、水星の磁場や磁気圏の観測をおこなう。水星には固有の磁場があり、地球の磁場との違いの解明に注目が集まる。さらに、水星表面の希薄な大気、そして太陽近くの強い衝撃波の観測が期待されているのだ。

なお、みおとMPOの観測期間は約1年程度となっている。

 

水星表面を観測するヨーロッパの「MPO」

Image Credit: ESA

そして、欧州宇宙機関(ESA)側は水星表面探査機「MPO:Mercury Planetary Orbite」を開発した。

みおと同じく水星周回軌道に投入されるMPOは、地形や鉱物、化学組成といった水星の表面、そして重力場などその内部の観測を実施する。

これまで、身近なようであまりその姿が知られていなかった水星。みおとMPOの水星到着は2025年末が予定されており、太陽系の謎のさらなる解明が期待されている。

塚本直樹

*Discovery認定コントリビューター

IT・宇宙・ドローンジャーナリスト/翻訳ライター。フリーランスとしてドイツを中心にヨーロッパにて活動しつつ、日本でのラジオ出演やテレビ、雑誌での解説も。 @tsukamoto_naoki

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