宇宙にあるハッブル宇宙望遠鏡にトラブル発生 これからの観測どうなる?

NASAは2018年10月9日(現地時間)、「ハッブル宇宙望遠鏡」がセーフモードに入ったと発表した。

ハッブルの今後が心配されたが、今後の復旧の見通しも同時発表されている。

ハッブルが果たしてきた偉大な役割と、今後の宇宙観測について、最新情報をお届けしよう。

 

30年近く稼働しているハッブル

 

Image Credit: NASA

ハッブル宇宙望遠鏡は、1990年にスペースシャトル「ディスカバリー号」によって、高度559kmに打上げられた。その狙いは、大気や気候に影響されない高精度な観測にある。

本体には口径2.4mの反射望遠鏡を搭載。そして、赤外線から可視光、紫外線までの波長にて、さまざまな観測機器を活用しながら宇宙の果てを見つめている。

なお打上げ当初は主鏡の歪みにより本来の性能を発揮できていなかったのだが、数度に渡る宇宙飛行士の船外活動により修理と機能強化が行われ、運用が続けられている。

 

直したはずのジャイロが再度故障

 

Image Credit: Hubble European Space Agency Information Centre

今回故障したのは、ハッブルの姿勢を検知する「ジャロスコープ」という部品だ。このジャイロスコープの1個が故障したことで、ハッブルは一時的にセーフモードに入った。

ハッブルは以前に6個のジャイロスコープすべてを交換しており、今後は3個の強化型ジャイロスコープで運用を続ける予定だった。しかし、強化型ジャイロスコープのうちの1個も思ったような性能を発揮できていない。

ただしハッブルはジャイロスコープ1個のみでも稼働できるとしており、今回のセーフモードからも「近い内に」復旧する見込みだ。

 

まだまだ活躍するハッブル

 

Image Credit: NASA

NASAは公式発表にて「ハッブルは今後数年間にわたり、素晴らしい観測をもたらしてくれるでしょう」としている。実際に、同宇宙望遠鏡は2020年代前半までは稼働を続ける予定だ。

そしてその後は、2021年の打上げが予定されている「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」へのバトンタッチが予定されている。同宇宙望遠鏡は宇宙で口径6.5メートルの主鏡を展開するという、興味深い機構を採用している。

これまでもさまざまな偉大な科学観測だけでなく、美しい天体写真も送り届けてきたハッブル宇宙望遠鏡。これからも、私達の知らない宇宙の姿を解き明かしてくれることだろう。

塚本直樹

*Discovery認定コントリビューター

IT・宇宙・ドローンジャーナリスト/翻訳ライター。フリーランスとしてドイツを中心にヨーロッパにて活動しつつ、日本でのラジオ出演やテレビ、雑誌での解説も。 @tsukamoto_naoki