災害支援から物流まで、進化するドローン利用

空を軽やかに飛行するドローンは、ホビー用途だけでなくビジネス、さらには災害支援での活用が期待されている。

特に国内の携帯キャリアは現在、独自の通信網を活かした実証実験やサービスを広めようとしているのだ。

ドローンが我々の生活インフラをどのようにして守り、そして便利にしてくれるのかを追ってみよう。

 

災害時にドローンが基地局に

Image Credit: NTTドコモ

例えばNTTドコモは、携帯の電波を中継する「ドローン中継局」の実証実験をおこなっている。これは、ドローンに小型化な基地局と同等の働きをするモジュールを搭載するという実験だ。

これは災害時に現地の携帯基地局が破損した際に、ドローンが周囲の基地局からの電波を中継することで、被災地での携帯使用を可能にする技術だ。

このような災害時にそなえて、携帯キャリアは電波の中継車両を用意している。しかし道路が冠水したり崩落したりした場合には、現地にたどり着けない場合も多い。しかしドローンなら、その機動力を生かして迅速に現地に通信網を復旧できるのだ。

さらにNTTドコモはセルラードローンによるプラットフォーム「docomo sky」で、製造業での点検業務や農作物の管理、物流サービスの支援を目指している。

 

携帯基地局でドローンを長距離展開

Image Credit: KDDI

一方、KDDIはドローンの長距離展開を可能にする「スマートドローン」というプラットフォームを発表している。

これはドローンが携帯通信ネットワークを利用し、さらに一時的に降下し充電が可能な「ドローンポート」を利用することで、ドローンを遠隔地まで展開できるというものだ。

通常、ドローンの飛行時間は1時間未満程度で、遠隔地への展開が難しいという問題があった。しかし日本全国に基地局を持つ携帯キャリアなら、そのインフラをドローン飛行に活かすことができる。

さらにKDDIは、次世代通信規格「5G」を利用した4K解像度映像のリアルタイム送信の実験も実施している。これにより、従来よりもさらに緻密な点検作業や農作物の育成支援が可能になることが期待されている。

 

気球とドローンで被災者支援

Image Credit: ソフトバンク

一方、気球によるる遭難者の位置特定という興味深いアプローチをとっているのがソフトバンクだ。

先述のように、ドローンは飛行時間が短いという欠点がある。しかし天候に左右されにくく長時間の飛行が可能な気球に無線中継システムを搭載することで、安定した現地活動が可能になるのだ。

またソフトバンク C&Sは、スマートフォンやタブレットでドローンによる計測を可能にするクラウドサービス「DroneDeploy」の提供も開始してる。

塚本直樹

*Discovery認定コントリビューター

IT・宇宙・ドローンジャーナリスト/翻訳ライター。フリーランスとしてドイツを中心にヨーロッパにて活動しつつ、日本でのラジオ出演やテレビ、雑誌での解説も。 @tsukamoto_naoki