民間月面探査へ前進中…日本の「HAKUTO-R」や海外チームの目標とは

株式会社ispaceは、2020年と2021年における月探査計画を発表した。同社は月面に自社開発のランダー(着陸船)を送り込む予定だ。

現在世界各国では、民間企業による独自の月面探査計画が進んでいる。さらに、新たな月関連のレースもスタートした。

民間企業による月面探査計画はどこまで進んでいるのか、最新情報をご紹介しよう。

 

達成チームの出なかった月面探査レース

Image Credit: au-HAKUTO

 

先述のispaceは、自社の月面探査計画を「HAKUTO-R」と名付けている。これは、以前の月面探査チーム「HAKUTO」から取られたものだ。

実は今年の3月末まで、米グーグルがスポンサーとなった民間月面探査レース「グーグル・ルナ・Xプライズ」が実施されていた。これは、月面にローバー(探査車)を送り込み走行させ、動画や静止画を地球に送るというものだ。

同レースにはHAKUTOを含む世界中からのチームが参加していたが、残念ながら期日までに達成チームは登場しなかった。そして高い技術力を誇る複数チームは、独自の月面探査の道を模索することになる。

 

月への一番乗りはどのチームに?

Image Credit: ムーン・エクスプレス

 

現在ispaceは2020年半ばの月周回ミッションを、そして2021年半ばの月着陸ミッションを予定している。また、打ち上げに利用する米スペースXのロケット「ファルコン9」の契約も完了している。

また、アメリカチームのムーン・エクスプレスやアストロボティックも2020年の月面探査を予定している。

それだけでなくドイツのPTサイエンティスツ、インドのチームインダス、イスラエルのスペースILが、独自探査機による月面探査を目指しているのだ。

 

新たな月面探査レースも始動?

Image Credit: ザ・ムーン・レース

月面探査といえば、気になるニュースが飛び込んできた。とあるドイツのNPOが米アマゾン創業者のジェフ・ベゾスが率いる米ブルー・オリジンやエアバスと共同で、「ザ・ムーン・レース」の近日開催を発表したのだ。

今の所、ザ・ムーン・レースの具体的な目標や参加チームなどは発表されていない。ただし、将来的には月面でのインフラ整備、エネルギー生成、植物栽培などを視野に入れているようだ。

グーグル・ルナ・Xプライズの終了により、一時は足踏みしたかに見えた民間による月面探査。しかしレースでの経験を積んだそれぞれのチームは、力強く月への道を歩んでいるのだ。

塚本直樹

*Discovery認定コントリビューター

IT・宇宙・ドローンジャーナリスト/翻訳ライター。フリーランスとしてドイツを中心にヨーロッパにて活動しつつ、日本でのラジオ出演やテレビ、雑誌での解説も。 @tsukamoto_naoki