レジなし店舗「Amazon Go」が作る未来は正義か、ディストピアか

米アマゾンは2018年1月、レジのない食品雑貨店「Amazon Go」をオープンさせた。

すでにアメリカでは4店舗がオープンしており、一部報道によれば数年内に3000店舗を展開する予定だという。

Amazon Goは我々の生活をどのように変えるのか、一方で負の側面はないのかを検証してみよう。

 

先進テクノロジー満載の店舗

Image Credit: アマゾン

先述したように、Amazon Goの店舗にはレジがない。買い物客はアプリを起動してから改札のような「レーン」を通過し、商品をバッグに入れ、そのまま店を出る。これで、買い物が完了するのだ。

このストアでは、、「ジャスト・ウォーク・アウト(Just Walk Out)」という技術が利用されている。具体的には、コンピューター・ビジョン、マシン・ラーニング、センサー・フュージョンなどの技術を利用して、買い物客がどの商品を手にとったかを常に監視しているのだ。

また、ピックアップした商品は自分のアマゾンアカウントに課金される。こうして、レジなしショッピング体験が実現するのだ。

 

店舗展開に伴う懸念

Image Credit: アマゾン

このように未来的なショッピング体験を提供するAmazon Go。しかし試験運用時には入店した人数が多すぎたり、あるいは商品のトラッキングに問題が発生したこともある。しかし、この問題も店舗拡大とともに克服しつつあるようだ。

さらにブルームバーグの報道によれば、Amazon Goは来年に50店舗、2020年〜2021年には3000店舗まで規模が拡大するという。またコンビニのような小規模店舗だけでなく、スーパーのような規模の店舗も10人以下で運営しようという計画もあるようだ。

しかし当然ながら、スーパーで働く店員の雇用を懸念する声が上がっている。実際に全米の小売店労働者組合は「アメリカ国民の職を危機に陥れるだろう」と声明を発表している。

 

止められないレジなし店舗の流れ

Image Credit: アマゾン

上記のような労働者組合の懸念はおそらく正しく、レジなし店舗の普及は多くの人の雇用を奪うことになるだろう。もちろんそれは産業の転換期には常に起きてきたイベントで、Amazon Goが特別というわけではない。

またAmazon Goだけでなく、米マイクロソフトも米ウォルマートと協力してレジなし店舗のシステムを開発していると報じられている。さらに現在、中国ではレジはあるが無人で運営されているコンビニが急速に拡大している。また日本でも、無人のコンビニがハウステンボス内のホテルにオープンした。

レジなし店舗や無人のコンビニは今後も、さまざまな批判にさらされるかもしれない。しかし、その流れが止まることはないのだ。

 

塚本直樹

*Discovery認定コントリビューター

IT・宇宙・ドローンジャーナリスト/翻訳ライター。フリーランスとしてドイツを中心にヨーロッパにて活動しつつ、日本でのラジオ出演やテレビ、雑誌での解説も。 @tsukamoto_naoki