世界中でパイロット不足が深刻化…飛行機で自由に旅行できない日がくるかも?

パイロットの人員確保ができないことを理由に、AIRDOが2017年と2018年と2度、一部路線の運休を発表した。そんなパイロット不足が進んでいるのは、日本の運航会社にとどまらず、世界各国が直面している。

 

2037年までに79 万人のパイロットが必要

移動手段として飛行機が当たり前になった現代では、今後航空業界の需要はますます増えていくと予想される。それに伴い、心配されているのが、全世界で加速してるパイロット不足の問題だ。

ボーイングが発表した資料によると、2037年までに必要となるパイロットの人数は、実に79万人にものぼる。現在の労働力のおよそ2倍だ。特にパイロットが必要となるのが、北アメリカとアジア太平洋エリアで、それぞれ20万6000人、26万1000人が必要と、ボーイングは算出している。

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パイロット不足が進む理由は…?

では、これほどまでにパイロット不足が世界で加速するのはなぜなのだろう?

ベビーブーマーが定年退職する
現在いるパイロットのうち、およそ半分近くがベビーブーマーと言われている。ベビーブーマーとは、第二次世界大戦が終了し兵士たちが帰還したことで誕生した世代で、1940年後半~1960年前半頃に生まれた世代を指す。現在、彼らがちょうど退職を迎える時期にさしかかっており、それによって現役パイロットの数が一気に減少する。

飛行機の需要は今後20年で2倍になる
旅行やビジネスで飛行機を利用する客は今後ますます増え、その需要は20年で2倍にもなる、と言われている。当然ながら、飛行機の便数も世界全体で増えることが予想される。

1500時間ルール
アメリカでは2013年から、パイロットになるためには1500時間以上の飛行時間が必要と定められている。商業用パイロットのライセンスに必要な飛行時間は250時間だったが、定期便旅客機のパイロットとしての資格を得るためには、さらに長時間の飛行時間が必要となったのだ。飛行機事故を防ぎ、乗客の安全を守るために決められたルールだが、これがパイロット不足を加速している一因となっている。

 

パイロット不足問題の解決策のひとつとして、飛行機の操縦におけるテクノロジーの進化に期待がかかっている。パイロットによる操作を軽減することができれば、1機あたりに必要なパイロットの数も現在より少なくすることが可能というわけだ。

もちろんパイロットを養成して人数を増やすことも求められているが、訓練には時間も資金も必要だ。

将来、世界観光旅行に出かけたいのに、パイロット不足のために断念せざるを得なくなる…。そんな事態にならないことを願いたい。

 

Makiko Sato

*Discovery認定コントリビューター

雑誌編集者や広告のプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのプランナー、エディターとして活動中。

関連リンク
Pilot Outlook: 2018 – 2037 (Boeing)
A ‘Perfect Storm’ Pilot Shortage Threatens Global Aviation (Forbes)
Airline pilots: Is there an actual shortage or are employers not paying enough? (Marketplace)

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