Credit : 塚本直樹

ヨシ笑った! 室屋浮上の狼煙となるレッドブル・エアレース 第6戦ウィナー・ノイシュタット大会

レース専用飛行機が極限の戦いを繰り広げる「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ」の第6戦となるウィナー・ノイシュタット大会が、2018915日~16日にオーストリアで開催された。

日本人パイロットの室屋義秀選手はここ数大会にて不運な形での失格が続いており、悪い流れを断ち切れるかどうかが注目された大会だ。

音楽の都にほど近い地で開催されたエアレースの軌跡を追ってみよう。

 

チャレンジングなシーズンを迎えた室屋選手

 

Image Credit: 塚本直樹

2017年にシーズン優勝を獲得し、最高の形で今シーズンへと突入したはずの室屋選手。しかし第3戦の千葉大会、第4戦のブダペスト大会、第5戦のカザン大会ではDNF(Do Not Fly)による失格となり、シーズンポイントでも上位陣と大きく差を広げられていた。

室屋選手にそのことを問いかけると「終わったレースはしょうがない。1レース1レースを大事にこなすのみ」と、いつもと変わらない室屋節。しかし、「手応えは感じている」との楽しみな言葉も漏れていた。

 

レッドブル・エアレース縁の地

 

Image Credit: Predrag Vuckovic/Red Bull Content Pool

 

今回レースが行われたのは、ウィーン南部の都市「ウィナー・ノイシュタット」。この地は初レースが開催されたツェルトベルク飛行場からも近い、レースにゆかりのある場所だ。

15日から始まった予選で、室屋選手はRUN2で58.483秒(ノーペナルティ)を記録しトップの順位につける。今大会こそ、結果が出せる……そんな予感が、観客やメディア関係者の間に広まった瞬間だった。

 

ディフェンディングチャンピオンに笑顔が戻る

 

Image Credit: Joerg Mitter / Red Bull Content Pool

 

16日にはRound of 14、Round of 8、Final 4と3レースが開催され、勝者が決定する。室屋選手はRound of 14にてクリスチャン・ボルトン選手に大差をつけ勝利し、さらにRound of 8ではカービー・チャンブリス選手の機体トラブルにより不戦勝で決勝に駒を進める。

 

Image Credit: 塚本直樹

そしてFinal 4にて最初に飛行した室屋選手は、59.578秒(ノーペナルティ)をマーク。後続のパイロットのタイム次第で勝者は決まるが、続くマーティン・ソンカ選手はこれをわずかに上回る59.288秒(ノーペナルティ)を記録。室屋選手は2位でウィナー・ノイシュタット大会を終えた。

今回の入賞により、シーズンポイントでは室屋選手は4位に浮上。しかし、シーズン優勝の可能性が潰えてしまったのも事実だ。それでも今シーズンの総合入賞と、来シーズンへの足がかりとして、今回のレースは非常に価値あるものだったはずだ。

 

塚本直樹

*Discovery認定コントリビューター

IT・宇宙・ドローンジャーナリスト/翻訳ライター。フリーランスとしてドイツを中心にヨーロッパにて活動しつつ、日本でのラジオ出演やテレビ、雑誌での解説も。 @tsukamoto_naoki

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