死体の中でも生き続ける…アルツハイマーは「ゾンビ細胞」の仕業か!?

ホラー映画には欠かせない存在である、ゾンビ。そんな恐ろしいゾンビのような細胞が、この世に存在することを知っているだろうか。

従来の機能を失い、死ぬことなく生き続ける…。そんなゾンビ細胞がアルツハイマー病に関わりがあるかもしれないという研究結果が、マウスの脳を使った実験で判明した。

 

死ぬことなく増殖するゾンビ細胞

「ゾンビ細胞」は、米ミネソタ州にあるメイヨークリニックの分子生物学者が発表した最新の報告で言及されている。彼らはこれまでの研究で、死ぬことなく増殖し、しかも通常の機能を果さない「ゾンビ細胞(医学的には老化細胞と呼ばれる)」をマウスの脳で発見している。そして、このゾンビ細胞を取り除いたマウスは、寿命が延びることも発見している。

 

ゾンビ細胞はアルツハイマー病に関連する可能性

脳の中にあるゾンビ細胞が、脳の病気になんらかの関連があるのではないかと、研究が重ねられてきた。そこで今回行われたのは、アルツハイマー病とゾンビ細胞の関係性についての実験だ。

アルツハイマー病患者の脳内にあるタウ・たんぱく質を発現するマウスを用い、遺伝子操作でゾンビ細胞の除去を行った。その結果、ゾンビ細胞がなくなると、記憶力を維持し抗体反応を抑え、アルツハイマー病患者にみられる神経原線維変化が起こらず、通常の脳と同じように機能していたことがわかった。

Credit:Creative Commons

 

脳の中枢細胞がゾンビ細胞になることが判明

また、ミクログリアとアストロサイトという、脳の中枢神経に存在する細胞がゾンビ細胞になることも判明したのだ。ミクログリアもアストロサイトも、ニューロンの健康状態やシグナルに重要な役割をはたす細胞だ。だからそれがゾンビ細胞になり、脳の情報伝達へ悪い影響を与えているということは、なんら不思議ではない。

この実験を行った研究者は「脳の神経系の病気にゾンビ細胞がどのくらい影響を与えているか、まだわからない」としているが、ゾンビ細胞がアルツハイマーなどの病気に関連がある可能性が示唆されたと言えるだろう。

 

ゾンビとは、もともと人間が空想の世界やエンターテイメントの世界で作り出したもの。それなのに、ゾンビのような細胞がヒトの脳を蝕んでいるとしたら…、皮肉なものかもしれない。

Makiko Sato

*Discovery認定コントリビューター

雑誌編集者や広告のプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのプランナー、エディターとして活動中。

関連リンク
Zombie cells found in brains of mice prior to cognitive loss (Science Daily)

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