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スペースXとZOZO前澤氏の月旅行計画、その真の目標は?

米スペースXは2018年9月17日(現地時間)、同社初の民間月旅行をZOZOTOWN率いる前澤友作氏が契約したと発表した。

計画が実現すれば、2023年にも前澤氏と選ばれた6〜8人のアーティストが巨大ロケット「BFR」で飛び立つことになる。

日米のベンチャー創業者が肩を組む民間月旅行とはどのようなものなのか、解き明かしてみよう。

 

BFRの隠れた進化

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スペースXが開発を進めるBFRは、「ビッグ・ファルコン・ロケット(Big Falcon Rocket)」の略称だ。また下段のブースター、上段の宇宙船(BFS)の両方が着陸と再使用が可能となっている。

ロケットの全長は118m、宇宙船の全長は55mで1000平方メートル以上の加圧区画をそなえ、地球低軌道(LEO)に100t以上の荷物を打ち上げ、さらに再使用が可能だ。

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今回の発表で着目したいのは、宇宙船部分に翼のような大型のフィンが追加されたことだ。このフィンは可動してブレーキの役目を果たし、着陸時の姿勢制御の役目を担うこととなる。

なおBFRはこのような月旅行だけでなく、国際宇宙ステーション(ISS)への補給ミッションや人工衛星の打ち上げ、火星開拓、地球上での超高速交通としての利用も想定されている。そして現時点では2019年の小規模なテスト打ち上げと、2020年の軌道へと到達するテスト打ち上げが予定されているのだ。

 

1週間弱の月旅行を実現

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そして打ち上げられたBFRは宇宙船を分離し、宇宙船は月の周りを飛行してから地球へと帰還する。月への到着は約2日後、そして月の裏側を通り、約5日後に地球へと帰還する予定だ。

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宇宙船からは月の表面や裏側を眺めたり、月の縁から昇る「地球の出」を眺めることもできる。かつて「アポロ計画」では1972年までに24人の宇宙飛行士が月へと向かったが、それ以来で久しぶりに人類が月へと近づくことになるのだ。

 

前澤氏の目標とは

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今回の計画を共同発表した前澤氏は、自身だけでなく6〜8人のアーティストをBFRに同乗させると発言している。そして月旅行から得られたインスピレーションを受けて制作される作品が、人類にとって価値あるものになるだろうとしているのだ。

スペースXを率いるイーロン・マスク氏は、以前にBFRを利用した火星開拓計画を発表している。なお、実際にBFRの開発が2023年の月旅行までに間に合うかどうかは不透明だ。スペースXの計画といえば遅れが生じるのが常だが、今回の月旅行計画も長い目で見守りたいものだ。

 

塚本直樹

*Discovery認定コントリビューター

IT・宇宙・ドローンジャーナリスト/翻訳ライター。フリーランスとしてドイツを中心にヨーロッパにて活動しつつ、日本でのラジオ出演やテレビ、雑誌での解説も。 @tsukamoto_naoki

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