4200万が必要!30代男性が考えるべき老後のマネープラン

若い頃は「老後なんてずっと先のこと」と思っているものだが、事前にマネープランニングをきちんとしていたかどうかで、いざリタイアしたときに差が出てくるものだ。特に経済面では、早いうちから計画的に準備しておくに越したことはない。

今回は、マネーに関するライフプランの相談を行う三井生命保険株式会社PMMサービス事業部の渡邊裕介さんに、30代男性の老後のマネープランについてアドバイスを伺った。

相談者プロフィール
32歳タカシさん(男性、独身)
収入:年700万円(月収 税込み58万円、手取り44万円)
支出:家賃15万、食費7 万、水道光熱費1万、通信費1万、交際費6万、投資5万、貯金5万、雑費・その他4万
退職金:なし

 

リタイアまでに自分で用意するべき金額はいくら?

老後についてなんとなく漠然とした不安を抱いている人は少なくないだろう。基本的に65歳になれば公的年金を受給できるが、それだけで毎日の暮らしを送っていくのに十分とは言えない場合が多い。そこで、自分でどれだけの金額を準備するべきか、次のステップで考えてみることが大切だ。

(1)年金の受給額を算出する

32歳のタカシさんの場合、現在の年収は700万円。リタイアするまでの平均年収も同じ700万円で、合計40年間厚生年金に加入したと仮定すると、受給できる年金は1年間で約240万だ。

老齢基礎年金:77万9,300円/年
老齢厚生年金:約160万円/年
年金合計:約240万円/年

「日本の公的年金制度は、働き方によって加入する年金が定められています。自営業や専業主婦の場合は国民年金に加入し、企業に勤めるサラリーマンは国民年金に加えて厚生年金にも加入します。一般企業の会社員であるタカシさんは、65歳になれば老齢基礎年金と老齢厚生年金の2種類を受給できるようになります」(渡邊さん)。

(2)公的年金では不足する金額を算出する

受給できる年金が1年間で約240万円とわかったが、この金額だけで老後の生活を送ることはできるのだろうか。

「投資と預金以外でかかる毎月の生活費は月34万円(家賃込み)で、年間408万円です。仮に、老後もこれと同じ生活費がかかるとするならば、408万円ー公的年金240万円=168万円で、年間168万円が不足する計算になります。65歳でリタイアして90歳までの25年間生きるとすると、168万円×25年=4200万円が足りないとわかります」(渡邊さん)。

1年間あたり不足する金額 408万円-公的年金240万円 = 168万円
65~90歳の間に不足する金額 168万円×25年= 4,200万円

今回の試算では、賃貸住宅にそのまま住み続け、現在の生活をそのまま続けた場合として計算した。「リタイア後にどんな生活を送りたいかによりますが、一般的に老後の生活費は若い頃に比べて低めに抑えるものです。仮に毎月の生活費を5万円少なくすることができれば、1年間にかかる生活費は60万円低い348万円まで下げることができ、90歳までに必要な金額も2,700万円まで抑えることができます」(渡邊さん)。

408万円ー(5万円/月×12ヶ月)=348万円
348万円×25年=2,700万円

これからリタイアまでの30年間のマネープランは?

では、4,200万円または2,700万円を今後約30年で準備するためには、どんな方法でどんなプランを立てればよいだろう。30年間で4,200万円貯めるためには、単純計算で年間140万円の貯蓄が必要。目標額2,700万円なら、年間90万円が必要になる。

4200万円 ÷ 30年間 = 140万円/年
2700万円 ÷ 30年間 = 90万円/年

渡邊さんがおすすめするのは、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)の利用だ。「個人型確定拠出年金は、毎月一定の金額を積み立てていき、60歳以降に年金または一時金として受け取ることができる個人用の年金制度です。積立金はすべて所得控除の対象となり節税効果が高く、老後資金を準備するには最適」と渡邊さん。

個人型確定拠出年金は、20歳以上60歳未満なら原則誰でも始めることができる制度だ。ただ個人型確定拠出年金を始めるのなら、今回の試算のように、何歳でリタイアして、どんな老後生活を送りたいかを考えることが大切と渡邊さんは言う。

「どんな生活を送りたいかで、老後に必要な生活費も大幅に変わってきます。起業する方なら、何歳まで働きたいのか、収入はどのくらいを想定できるのかもしっかり考えてみましょう。それによって、リタイア時に必要な目安の金額を出して、効率的に準備していくことが大切です」。

さらに、家族構成や住居環境、年金制度などの社会保障、税制など、世の中の経済環境や社会情勢も常に変化していくもの。その時その時で最適な選択を取るためには、まずは現状を把握し、将来に向けてのライフプランを立て、必要に応じて修正を繰り返していくのが重要と、渡邊さんは説明している。

今回の試算で出た数千万円という老後資金。仮定の金額にはすぎないものの、決して大げさな金額ではない。「人生100年時代」と言われる中、どうマネープランニングしていくかが問われている。

Makiko Sato

*Discovery認定コントリビューター

雑誌編集者や広告のプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのプランナー、エディターとして活動中。