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キッチンでDNAを抽出する!?驚きのバイオ実験

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DNAは生物の主成分であるタンパク質を作るための情報記録媒体であり、ヒトの平均的な細胞のサイズ0.02 mmの中に、なんと約2mにもなるDNAが詰め込まれている。

コンパクトに収納するために、ヒモ状のDNAはヒストンと呼ばれるタンパク質に巻きつき折りたたまれており、このヒストンとDNAが一緒になったものを染色体という。

0.02 mmの中に、2mのDNAが存在するわけであるから、細胞を破壊し、この特殊なタンパク質であるヒストンからDNAを分離できれば、DNAは肉眼で観察できる。

ではどのようにして細胞を分解し、DNAをとり出せばば良いのだろうか?

実はキッチンであるものだけで、DNAを取り出すことができるのだ。

バナナからのDNA抽出の手法を紹介しよう。

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まずはバナナを潰し、滑らかにするために食塩水を加える。
このペーストをコーヒーフィルターで濾すと、透明の粘性の液体が得られる。

ここに中性洗剤を加える。細胞は脂の二重膜で覆われており、洗剤により膜を破壊することができるのだ。

実はDNAはー、ヒストンは+の物質であり、磁石のように+ーがくっ付いている。食塩を水に溶かすとNa+ Clに分かれるため、細胞からでたDNAとヒストンのペアはNa+ とClが間に入ることで分離される。

DNAは水に溶けやすいが、エタノールは溶けない性質をもつ物質である。先ほどのバナナのDNA食塩水にエタノールを加えると、なんと白いモヤモヤとした繊維状の物質がエタノールと水の境目に現れるのだ。この繊維状の物質こそがDNAである。

なんとこの原理を用いて、DNA cocktailも作ることができる。

今回はイチゴを凍らすことで洗剤を用いずに細胞を破壊し、天然のパイナップルに含まれるタンパク質を分解する酵素でDNAが巻きついているヒストンを分解し、DNAを分離させ、最後に高濃度のアルコール、DNAバーテンダーのオススメはBacardi 151を注ぐとDNAが分離されるというものだ。

美しいDNA cocktail そのまま楽しみたい所だが、70度以上の高濃度アルコールのため味もなかかな刺激的なものである。

 

池田あやか
*Discovery認定コントリビューター
科学・アート好きの薬剤師。大学では主に超分子化学を専攻。科学の面白さを伝えようと、仕事の傍見て楽しい・触って楽しい科学イベントやサイエンスライターをしている。最近のお気に入りはモルフォ蝶の羽の構造色を利用したピアス。

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