コモディティ化が毎年囁かれるスマートフォンだが、今年は新たに「ゲーミングスマートフォン」というブームが誕生した。
スマートフォンメーカーは端末の性能だけでなく、特徴的な外観や機能などで差別化を図っている。
今後ますます盛り上がるであろうゲーミングスマートフォンの最前線に迫ってみよう。
昔からほそぼそと存在していた

とはいえ、ゲーミングスマートフォンは今年突然現れたわけではない。過去にもさまざまなメーカーが端末を投入し、残念ながら大きな成果が得られなかった分野だ。
上の画像は、ソニー・エリクソンが2011年に投入した「Xperia Play」だ。画面をスライドするとまるで「プレイステーション」のコントローラーのようなボタンが出現する機構には、多くのゲーマーからの期待を集めた。さらにPlayStation Storeに対応し、初代プレイステーションのタイトルも用意されていた。
しかしスマートフォンの性能自体の問題や、ゲームタイトルの展開などの問題から、ヒットを飛ばすことはできなかった。
革新的なディスプレイを搭載したモデル

そんな流れを断ち切ったのは、2017年11月にゲーミングデバイスメーカーの米RAZERが投入した「Razer Phone」だ。
Razer Phoneは従来型スマートフォンよりも高速に画面が切り替わる、120Hz駆動の「IGZO液晶」を搭載。また最新プロセッサを組み合わせることで、快適なゲームプレイを実現した。
Razer Phoneはゲーミングスマートフォンとしてヒット製品となり、後に同様のコンセプトを持った端末が多く登場することになる。またRazer Phoneの後継機種も開発中だ。
折りたたみスマートフォンの参入も?

ゲーミングスマートフォンへの参入が期待されるメーカーとしては、韓国サムスンの名前があげられる。
サムスンは先日、2018年11月に折りたたみスマートフォンを発表すると宣言。そしてウォール・ストリート・ジャーナルの報道によれば、この折りたたみスマートフォンはゲーミング端末としての性格も持っているらしいのだ。
折りたたみスマートフォンは持ち運び時にはサイズを小さく、そして使用時には展開して大画面が利用できる。まさに、大画面を必要とするゲームにはピッタリな端末だろう。
モバイル向けゲームの人気が高まりとともに、ゲーミングスマートフォンは今後も次々と新製品が投入されると予想されている。これらの端末はまだ日本向けに投入されていないものが多いが、いずれゲームはゲーミングスマートフォンで楽しむのが当たり前となるのかもしれない。
塚本直樹
*Discovery認定コントリビューター
IT・宇宙・ドローンジャーナリスト/翻訳ライター。フリーランスとしてドイツを中心にヨーロッパにて活動しつつ、日本でのラジオ出演やテレビ、雑誌での解説も。 @tsukamoto_naoki