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仏英ホタテ戦争勃発?イギリスは60年前にもアイスランドとタラ戦争

8月27日、ノルマンディーの沖合でホタテ漁を行っていたイギリス漁船に対し、フランス漁船グループが漁をやめるよう過激な抗議活動を行った。各国のメディアはこの出来事を「ホタテ戦争(scallop wars)」と呼んだ。

今回のホタテをめぐる争いはなぜ起こったのだろうか。

 

ホタテ戦争の概要

英BBCの報道によると、この事件は8月27日の夜、フランス・ノルマンディー沖22Kmの地点で起きたとされる。ホタテ漁を行っていた5隻のイギリス漁船に対し、フランスの漁船35~40隻が抗議のため集結し取り囲んだ。

フランスの漁船員は、イギリス漁船に石や発煙弾を投げつけ、罵声を浴びせたという。イギリス漁船側は最終的に追い払われる形で港に戻ったが、窓ガラスなどに損害を負った

このホタテをめぐる争いにはいくつもの原因があるようだ。

フランスにはホタテ漁に関して厳しい規則があり、漁が行える期間も10月1日から5月15日までと定められている。だが、今回のイギリス漁船は、10月1日を待たずに8月27日に漁を始めた。これが今回の直接の抗議につながったようだ。

イギリス・アイルランド・フランスの間には、漁に関する協定が毎年協議されているが、イギリスとフランスは過去10年以上対立してきている。そして今年は、EUからイギリスが脱退することが原因で協議がさらに紛糾しているのではないかとの憶測が飛んでいる。

今回、イギリス漁船がホタテ漁を行った海域はEU加盟国の船であればそれぞれの国の判断で漁が許可されている。だが、イギリスはすでにEU脱退を通告済みであるため、この海域で漁を行うこと自体もフランス側の反感を買った一因であると考えられる。

 

60年前のタラ戦争

北大西洋で英国海軍のフリゲート艦とアイスランドの巡視船が衝突した瞬間 Credit: Creative Commons

1950年代、イギリスとアイスランドによる「タラ戦争(Cod War)」が勃発している。これは、アイスランドが領海拡大を宣言したものの、新たな境界線を無視する形でイギリス漁船がタラ漁を行ったことが引き金となり起こった紛争である。

1958年、アイスランドが新たに定めた領海内でイギリス漁船がタラを捕獲していると、アイスランド側から発砲された。そのため、イギリス側は漁船を守る為に英国海軍を配備、一触即発の状況となった。

1976年、イギリスの大幅な妥協によってこの紛争は解決している。今回の一件でメディアが名付けた「ホタテ戦争」は、この「タラ戦争」から来ているものと推測される。

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