Credit : NASA 火星での野菜栽培予想図

宇宙に飛んだ野菜たち!新鮮な野菜は宇宙飛行士の美味しい味方

長期間にわたる国際宇宙ステーション(ISS)で必要不可欠なものの一つに食事がある。

1957年のソビエト連合による人工衛星打ち上げが引き金となり始まった宇宙開発競争。有人宇宙飛行がスタートした1960年代になると宇宙食も次々と開発されるようになった。宇宙飛行士たちの健康を維持するために欠かせないのは、地上と同じくバランスの取れた食事だ。その中で、野菜がどんな役割を担っているのかを紹介したい。

 

宇宙食と野菜

宇宙食の役割は、体調維持のための栄養の摂取だけでなく、様々な制約がある宇宙ステーションでのストレスを軽減させるためのリフレッシュ効果も担っている。1日に摂取するカロリーは、宇宙飛行士の年代や性別、体重から計算されている。

Credit: NASA

宇宙食の種類には、フリーズドライなどの加工食品やISSのフードウォーマーで加熱できるレトルト食品、放射線照射で殺菌を行なったビーフステーキ、そして生鮮食品である野菜やフルーツがある。

宇宙食としての新鮮な野菜や果物は、1983年のスペースシャトル計画「STS-6」で初めて採用された。NASAによる特殊なパウチに入れられた、人参やセロリのスティック、リンゴ、バナナだった。それからは、ジャガイモ、ハラペーニョ、オレンジ、梨、ネクタリンなども宇宙へと持ち出された。だが、オレンジとバナナはその強いにおいの所為で微小重力下の一部の宇宙飛行士が吐き気を起こしてしまうことがあったため、あまり持ち込まれなくなったという。

スペースシャトルのミッションでは、新鮮な野菜や果物は発射の16時間から24時間前に機内へと持ち込まれ、塩素ですすがれた後に乾かして専用の食品ロッカーへと収納される。しかし、冷凍保存ができないため、ほとんどの野菜や果物は2~3日以内に消費しなければならない。

そんな中、ロシアはISSの作業の進捗状況に合わせ、新鮮な玉ねぎやニンニクやトマトなどを宇宙へと送っている。ISSのクルーにとって、新鮮な野菜や果物は食事のバリエーションを増やすだけでなく、クルーの意欲向上にも役立っているのだそうだ。

 

宇宙ステーションで野菜を栽培中?

Credit: NASA

実は現在、ISSでは野菜が栽培されている。だが、これはクルーたちの食事用ではなく、将来の長期的な宇宙でのミッションに備え、食料を自給自足できるようするための実験として栽培されているものだ。野菜の種類は、水菜、赤ローマンレタス、東京べか菜である。これらの野菜は地球へ戻された後、試験される予定だ。

RELATED POST